[現地レポート] 幕張メッセでも大型展示会が再開「AUTOMOBILE COUNCIL 2020(オートモビル カウンシル 2020)」

7月31日、幕張メッセでも大型展示会が再開した。インテックス大阪では7月29日に「第12回関西ホテル・レストラン・ショー」 含む、7つの専門展示会が再開したが、関東圏ではイベント自粛以来の展示会開催となる。

「コロナ禍にある環境下で、自動車文化を後世に伝えるという使命をまっとうする」という主催者の強い意志のもと、7月31日から~8月2日の3日間、幕張メッセにて「AUTOMOBILE COUNCIL 2020(オートモビル カウンシル 2020)」が開催された。

AUTOMOBILE COUNCIL は、1990 年代までに登場した世界のヘリテージカーが一堂に会する展示会で、 2016 年にスタートし今年で5回目の開催。当初は、4 月上旬の開催を予定していましたが、3 月下旬の感染拡大をうけ、5 月上旬へ順延。さらに、緊急事態宣言の発令と、東京オリンピック・パラリンピ ックの 1 年延期により会場の使用が可能になったことから、7 月末に再延期となっていた。

実施されていた様々な感染症対策について、レポートする。

 

【事前案内】

主催のAUTOMOBILE COUNCIL 2020 実行委員会では、公式サイトを通じて、実施する感染症対策についての案内が事前に行われた。

入場数を、31 日の特別内覧日は 3,000名に、8 月 1 日・2 日の Public Day は 5,000名に制限するもの。5,000 人に達した場合には、入場制限が行われる。感染拡大防止策では、関係者はじめ来場者の体温測定、万が一に備えた来場者情報の登録、マスク着用、手指の消毒、会場内の消毒を徹底した。

 

・開催宣言するプレスリリース

 https://automobile-council.com/pdf/Information_0630.pdf

 

・運営ガイドライン

 https://automobile-council.com/pdf/Information_0729.pdf

 

【当日の受付】

・感染症対策に関する案内ボード

・入場登録シートの記入提出

個人情報、体調などの確認事項、ガイドラインについての承諾事項、体温、千葉県コロナ追跡サービスの登録状況などの記入が求められた。

・千葉県コロナ追跡サービスの登録

会場内に掲示されているQRコードを読込み、利用日とメールアドレスを入力して登録を行います。登録が完了すると登録完了メールが届く。

登録完了した旨を入場登録書類に記入し、提出する。実際に登録が完了したかのチェックは実施されていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・消毒液の設置

受付の他、会場のいたるところに消毒液が設置されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・検温

 入場までに2回の検温が実施された。

 1度目は、手持ち非接触型の検温器。

 2度目は、タブレット非接触型の検温器で検温が行われていた。

・間隔をあけた待機列

誘導スタッフが間隔をチェックしており、間隔が狭まった場合は、注意のアナウンスがを実施される。

・受付窓口

飛沫防止シートが設置されていた。

【会場内】

・スタッフの装備

マスクまたは、フェイスシールドの着用が義務付けられ、サンプル品等手渡しを行うスタッフは、手袋の着用も行っていた。

 

・展示形式の工夫

極力壁を作らず、密にならないよう心がけられていた印象。

・商談ブース

 飛沫防止シートを設置。

・換気

 会場内のドアは閉められていて、空調機器による換気が行われていたもよう。

・滞在者数のカウント

入口、出口ともに1カ所のみで、スタッフによるカウンターを使用した入場者数、退場者数のカウントが行われていた。

常に、滞在者数のモニタリングを行っているとのことだった。

【まとめ、気づき】

・密、濃厚接触が起きやすいのは、商談や規模の小さい展示ブース、グッズ等の販売ブース

・ショーやセッションがなく、見たり写真撮影を行うことがメインの展示会なので、比較的密は発生しずらい

【出展者の声】

・HONDAブース

HONDAブース

HONDAブースでは、白いボディに赤いエンブレムという特徴のある第1期のF1マシーンをメインに最新モデルの車両も同時に展示し、チャレンジスピリットを表現。創業者の本田宗一郎氏のF1参戦への直筆の宣言文がパネルとして展示され「世界へ打って出る」という当時の勢いや熱量が、現在まで続いているというストーリーでファンをよろこばせていた。

コロナ対策として、三浦元毅さん(本田技研工業株式会社 ブランド・コミュニケーション本部 広報部 商品・技術広報課)によると

・アンケートの実施を紙とペンから変更。QRコードからアンケートサイトへ誘導するオペレーションで展開

・対応スタッフは削減し密をさける体制に。マスクにフェイスフィールドのスタイルで、かつ例年は積極的な声がけを推奨していたが、説明を求められた場合に応対するオペレーションへと変更

などで対応していた。出展については社内議論があったが、主催者からどのようなガイドラインで展開するか、入場規制や追跡システムの導入、換気など、しっかりとした説明があったことを踏まえ、継続しての参加を決定したという。

 

 

・MAZDAブース

MAZDAブース

同展示会には日本の自動車文化を促進するというコンセプトに共感、日本の車メーカーとして役に立ちたいという想いで初回から参加しているというMAZDAブースは、今年で100周年を迎えるということで歴史や年代ごとの4番バッターの車両を選りすぐり、ファンへの感謝を込めて、美術館仕立てで展示した。

コロナ対策について潮﨑さと子さん(マツダ株式会社グローバル販売&マーケティング本部ブランド戦略部アシスタントマネージャー)は

・オンライン説明員の実施(スマートフォンで参加者は車の細部を映しながら聞きたいことを質問する形をとった)

・会期中の閉場後に公式YouTubeでのライブ配信を1時間実施し、同時視聴者は1066名にのぼった(来場したくてもできない参加者のためにということと、例年実施しているトークショーも演者を会場に招くことができなかったということから番組として企画された)

・音声ガイドの導入

など。音声ガイドについてはコロナ対策というよりも美術館仕立てということで、ゆっくり来場者のペースで堪能してもらうことを目的にした採用だったという。潮﨑さんは、イベントでもっとも大切にしているのは「社員が直接、参加者さんと話す」ことと話す。外部スタッフによるブース対応のケースも展示会ではよくみられるが、直接対話で伝わることを重視し、車1台につき2.5人の体制を例年はとっていたそう。その点では、コロナ禍での出張禁止もあり、今回は最小人数での対応となったため、いまの時代に合った配信やオンライン応対などを取り入れ、大切にしているスタイルを保持してブース運営をしていた。

 

「AUTOMOBILE COUNCIL 2020」という自動車文化を感じる展示会では、来場者の参加態度も美術館のようにじっくり時間をかけて、展示パネルを読み込むようなスタイル。会場内は、複数人で参加していても、個々に楽しむ姿が散見された。

 

一口に展示会といっても、展示物やコンセプトによって参加スタイルは異なる。それぞれに合った対策と運営オペレーションが求められる。

【開催概要】

・名 称

 AUTOMOBILE COUNCIL 2020(オートモビル カウンシル 2020)

・テーマ

 CLASSIC MEETS MODERN(クラシック ミーツ モダン)

・会 場

 幕張メッセ (千葉県千葉市美浜区中瀬2-1)

・日 時

  7月31日(金)特別内覧日 9:00~17:00 プレス関係者+限定一般来場者 計 3,000 人

  8月1日(土)・2日(日)Public day 9:00~17:00 一般来場者 同時最大入場者 5,000 人

 

・主 催

AUTOMOBILE COUNCIL 2020 実行委員会

 

【メモ】

・来場者数

 2019

 一般公開日 15,688名

 累計(4/5-4/7) 34,692名

 

 2020

 一般公開日  4,121名

 累計(7/31-8/1) 6,879名

 

 

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