7月19日、ホテルイースト21東京で日本映像機材レンタル協会(JVR協会)の業務担当責任者会議が実施され、会議には59社109名が出席した。
冒頭の挨拶では、中島義人会長(ヒビノメディアテクニカル代表取締役社長)が、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会、大阪万博や統合リゾート(IR)の設置、など国家的な事業が続き、映像・音響の果たす役割が大きく、会員の人材・機材・ノウハウを結集してサポートが必要と呼びかけた。
続いて、正会員であるレンタル企業各社の近況報告が行われ、拡充した機材やサービスを紹介。同業である会員各社がクロスレンタルなどの協力体制への情報共有の場ともなっていた。メーカー会員の各社PRでは4K対応や高輝度製品など、各社の最新機器を紹介された。協会のホームページ委員会では、会員各社の取組のほか、全国の桜開花の様子をレポートするなど、会員各社が楽しんで参加できる取組みについて発表し、多くのメンバーの参画を呼びかけた。
パネルディスカッションPart1は、ISE2019の視察ツアー報告として(株)シネ・フォーカスの新井正紀さん、(株)タケナカの鈴木彩芽さん、(株)映像センターの鶴川和也さんが登壇した。(Part1,2ともに、進行は(株)シーマの石丸隆さん、アシスタントはヒビノ(株)の菊地利之さんが務めた)
3年ぶりのISE視察となった新井さんは、大型のLEDの展示をする貴重な機会とし、2mmピッチ以下のファインピッチが充実している印象をうけたという。また修理しやすいLEDなどレンタル用のLED製品などに付いても触れた。また8Kのマルチオペレーターや1人で組める同時通訳ブースなど、多様な製品について説明した。
はじめてISEに参加した鈴木さんは、大型の湾曲LEDやロールスクリーンなどで注目を集めたLGブースや、サムスンの0.84mmピッチのTheWallなど、多様な映像表現を可能にした高精細LEDによる空間づくりが印象的だったという。
鶴川さんはソニーのCrystal LEDの美しさが印象に残り、ぜひクライアントに提案したいと思いをのべた。また、高精細と高輝度が求められる一方で、コンテンツ制作の時間・費用がかかること、重量の大きいプロジェクターの設置は時間がかかるなど、オペレーターならではの視点で展示されていた機材について説明した。
パネルディスカッションPart2は、InfoComm2019について、コセキ(株)の増子達也さん、(株)光響社の播野祥磨さん、(株)新協社の辻洋平さんがパネリストを務めた。
増子さんは、会場に入る前に訪れたタイムズスクエアのLEDビジョン広告に驚いたという。その規模だけでなく、透過型LED、OLEDや、多層レイヤーで多くのものを混ぜて見せる演出が参考になったという。会場では、LEDや3Dホログラム、Hypervisionなどの性能が高い機材の印象が強かったが、それを活かすコンテンツの重要さも感じたという。
播野さんは、水槽にモニターがつかるデモンストレーションで注目をあつめていた防水モニターに言及。屋外の現場など実用性の高さを評価。またパナソニックブースで展示していたe-Sports Arenaパッケージについても、興味を示した。
辻さんは、博物館・病院・店舗などテーマごとに商品を紹介したLGブースで展開された、透過型LEDやガラスに貼り付けられるLEDフィルムなど抜け感がありデザイン性も高い製品に可能性を感じ、今後より狭いピッチの製品の開発が期待されると語った。
パネリスト6人からは、オペレーター視点での機器への要望や、機材の進歩による映像表現の可能性など、さまざまな意見が交わされた。
パネルディスカッションと尾﨑求副会長(映像センター代表取締役社長)の閉会挨拶の後には、懇親会が行われ、さらに多くの映像関係者があつまり、様々な意見交換を行った。