- Home
- Interview, ニュース, 展示会
- 昨年の想いもあわせて、ファンと作品を繋ぐ 開催直前! 主催者インタビュー 「AnimeJapan 2021 」 寺田 浩史 さん エイベックス・ピクチャーズ 中嶋俊介さん タツノコプロ
昨年の想いもあわせて、ファンと作品を繋ぐ 開催直前! 主催者インタビュー 「AnimeJapan 2021 」 寺田 浩史 さん エイベックス・ピクチャーズ 中嶋俊介さん タツノコプロ
AnimeJapan 2021はハイブリッドイベントとして準備を続けてきたが、緊急事態宣言の延長をうけて、オンライン配信のみに絞ることになった。コロナ禍で今年は大きな変化を余儀なくされるが、我慢の年になるか、進化の第一歩となるか。さまざまな新機軸と既存企画のオンライン向け対応にファンの期待と注目が集まる。
昨年の想いもあわせて、ファンと作品を繋ぐ
開催直前! 主催者インタビュー 「AnimeJapan 2021 」
AnimeJapan 2021 総合プロデューサー
寺田 浩史 さん(右)
エイベックス・ピクチャーズ㈱
プロモーショングループ 第 1 宣伝ユニット
マネージャー兼チーフプロデューサー
中嶋俊介さん(左)
㈱タツノコプロ
コンテンツビジネス部 副部長 伝ユニット
マネージャー兼チーフプロデューサー
コロナ禍を多くのコンテンツに触れられる機会へ
開催1か月前に中止が決定した昨年のAnimeJapan 2020。今年は完全中止、という昨年の流れを繰り返さないよう、リアルとオンラインでのハイブリッド開催を前提に開催を企画。2 度目の緊急事態宣言により、オンライン開催へ切り替えとなった。
「会場で臨場感・特別感を味わっていただきたかったが、ファンの方・出演者などの健康上の安全を考え、リアル開催を断念するのは致し方ない選択」(中嶋さん)。「オンラインにすることで、ファンの方がより多くのコンテンツに触れられる機会と前向きに考えたい」(寺田さん)と総合プロデューサーの 2 人は話す。
オンライン化に適応したコンテンツに再構成
AnimeJapan 2021 の当日視聴可能な有料チャンネルは、3つのステージで 2日間各プロダクションが 33 プログラムを配信するAJ ステージと、主催者企画も含めた 21プログラムを行うAJ スタジオが企画されている。
AJ スタジオのコンテンツで、これまで来場者参加のパレードを行ってきたコスプレイヤーワールドを、オンラインで、「How to コスプレ」として実施。「ソードアート・オンライン」「名探偵コナン」の 2 作品をテーマに、コスプレ専門誌「COSPLAY MODE」の企画協力と「ACOS」社の衣装提供を得て、コスプレイヤーへの情報提供と新たにコスプレファンを開拓する企画へ生まれ変わる。
アニメの制作工程を紹介する ProductionWorks Gallery もパネル展示やセミナーからChannelとして映像での紹介と、オンライン開催にあわせてパワーアップする。プリプロダクションの脚本は「サイダーのように言葉が沸き上がる」、プロダクションの演出・制作は「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」、ポストプロダクションの音響・アテレコは「半紙の夜叉姫」と人気注目作品の制作工程が紹介される。ファンの作品への愛が高まりそうだ。
「オンラインではすべてが、画面上でのできごとにすぎないが、それでもライブの臨場感を味わってもらう工夫をしている」(中嶋さん)幕間に舞台裏を紹介するなど、細かな演出・しかけを数多く用意している。
これまで同様、それ以上に豊富なコンテンツで構成される AnimeJapan2021。「これまでは抽選制で、1チケットで1ステージしか見られなかったが、オンライン配信でキャパシティの制限もなくなって、同時に開催しているイベントも両方見ることができる。多くのコンテンツに触れてほしい」(中嶋さん)。「アーカイブもあり、複数のデバイスで 24 時間視聴もできますが、くれぐれも体調に気を付けて」(寺田さん)というように、参加者が体験できるコンテンツの量は大幅に増えそうだ。
実行委員会が行う配信以外にも出展企業なども会期中に多数配信を予定しており、「それらも含めてすべてが AnimeJapan」(中嶋さん)とのこと。イベントという枠組みを考え直さなければいけない時代のようだ
海外市場と日本をつなぐ新しい役割も担う
キービジュアルは人気キャラクターがAnimeJapanの T シャツを着て大集合時間と空間を超越するオンラインイベントの特性は、海外市場に強いアニメコンテンツビジネスにも適していそうだ。
海外のアニメ系媒体、アニメイトの海外拠点と連携し広告宣伝を行い、現地のファンへのリーチを増やしている。今回は日本を含む海外の 7 つの国と地域に配信。すべてのコンテンツを翻訳するのは難しそうだが、シンガポールから、日本語もできる MC が AJ ステージコンテンツを観ながら英語で実況・解説するサテライト展開をするチャンネルも用意。アーカイブ配信を行うので時差のある国でも参加でき、コメント欄もさまざまな言語が飛び交いそうだ。
新しい作品との出会いそれは変わらない
「今年はチャレンジの年。オンラインだからとファンの期待を裏切ることのないよう、いろいろなギミックを用意する」(中嶋さん)
「AnimeJapan は自分が好きな作品や作者以外に新しい作品やクリエイターに出会う場、というあり方は変わらない。会場を歩いて面白そうな作品やプロダクションと出会うのと同じような、出会いをオンラインでも演出するように、仕組づくりをしています」(寺田さん)。
今年のテーマは“繋ぐ(∞)”。主催者・出展社、ファンが一体となって AnimeJapan がさらに絆を強くしていきそうだ。