世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2024」が、2024年1月9日(火)から1月12日(金)までの4日間(米国時間)、米国ネバダ州ラスベガスで開催される。
「CES2024」は、250万平方フィート以上の敷地面積で展開(昨年比15%増)、会場はLas Vegas Convention and World Trade Center(LVCC),Venetian Expo,ARIAのほか、CosmopolitanとRenaissance Lαs Vegas and Westgate Las Vegasの2会場が新たに加わった。出展者は、グローバルブランドやスタートアップ企業、業界関係者、メディア、政府リーダーなど4000以上が集まる。また、250以上のカンファレンスセッションが用意され、1000名以上のスピーカーが登壇する。
今回は、主催のCTAの100周年と記念すべき年となっており、主催者のCTAゲリー・シャピロ会長兼CEOは「今年のCESでは、人間の経験のあらゆる側面を向上させるためにテクノロジーが果たす重要な役割にスポットライトを当てたい」とし、主要な4つテーマと代表的な出展企業を次のように紹介している。
- 人工知能 – AIは、ヘルスケア、持続可能性、生産性、アクセシビリティなどを向上させるアプリケーションで、最前線に位置する。
主な出展企業: Garmin、Intel、Qualcomm、Walmartなど。
- 万人のための人間の安全保障(HS4A) – CESは、「万人のための人間の安全保障」グローバルキャンペーンにおいて、国連人間の安全保障信託基金および世界芸術科学アカデミーと再び提携し、テクノロジーが世界最大の課題のいくつかをどのように解決しているかを紹介する。
主な出展企業: Abbott(アボット), AARP, Bosch(ボッシュ), Nasdaq(ナスダック), Siemens(シーメンス)。
- モビリティ – 自動車技術から自動運転車、電気自動車、パーソナルモビリティまで250以上の出展者が参加。
主な出展企業: BMW、Hyundai、Kia、Mercedes(メルセデス)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)。
- サステイナビリティ – アクセシビリティ、エネルギー、フードテック、レジリエンス、スマートシティ、クリーンウォーターなどのイノベーションを通じて、企業がいかにポジティブなインパクトを与えているかを紹介。
主な出展企業: Exeger, HD Hyundai, Honda, John Deere, Supernal.
また、現地時間1月4日、CESを主催するCTAでは、「CES2024」に向け、「米国ハイテク産業の売上高は2.8%増加する」という業界予測を発表。米国コンシューマー・テクノロジー産業の小売売上高が2024年に2.8%増の5,120億ドル(2023年比140億ドル増)になるというものだ。
CTAのビジネス・インテリジェンス・ディレクター、リチャード・コワルスキー氏によると“技術革新は、産業をより新しく、より効率的な競争方法を見出すよう導くため、テクノロジーは本質的にデフレ傾向にある。2024年を展望すると、人工知能の発展により、消費者向けおよび企業向けテクノロジー企業は、より効率的になり、消費者のニーズを満たすより多くの方法を見つけることで、成長が加速する”と予想している。
■日本企業75社がブース出展
日本企業からは、75のブースが出展する(「CES2024」公式サイト 内よりJapanでの検索結果)。*2024年1月8日9時時点(日本時間)
■日本パビリオンも展開
また、CESの中でもスタートアップ専用エリアとして設けられている「Eureka Park」では、共同出展の日本パビリオン形式で、日本のスタートアップ企業を世界へ送り出す「JAPAN TECH」(クリエイティヴ・ヴィジョンと大阪商工会議所が共催する日本パビリオン)が今年も展開。
また、JETROスタートアップ課が支援する「ジャパンパビリオン」では30社が出展し、今回はパビリオン内に初めてステージを設置し出展企業によるピッチイベントやピッチバトルを実施する。
「Eureka Park」は、有望なハイテク・パイオニアやスタートアップ企業1,200社以上が出展し、スタートアップ・ステージでは魅力的なプログラムが用意されている。日本のほか、フランス、イタリア、韓国、オランダ、ウクライナなどの国別パビリオンが展開される。
■ジャパンパビリオンで2つのピッチイベントを実施
6度目の出展となる今回、初めての試みとして、ジャパンパビリオン内に設置したステージにて、初日から3日間、1日2回ピッチイベントを開催する。
午前中はジャパンスタートアップイントロと称して、1日9社、3日間で27社の日本発スタートアップ企業が登壇。
午後はグローバルピッチバトルと称して、3つのテーマ別に、他国のスタートアップ企業(フランス・スイス・台湾・ウクライナなど )も招いたピッチバトルを開催する。
なお、ピッチの前には日本の書道とグラフィティなどのストリートカルチャーを融合させた書道家のパフォーマンスを実施し、ジャパンパビリオンへの来場者誘致を後押しする。
ジャパンパビリオン内ステージスケジュール
Day1 (1/9 火)
11:00-11:30 Japanese Startup Intro
14:00-14:30 Global Pitch Battle 【テーマ:Lifestyle】
Day2 (1/10 水)
11:00-11:30 Japanese Startup Intro
14:00-14:30 Global Pitch Battle 【テーマ:Sustainability】
Day3 (1/11 木)
11:00-11:30 Japanese Startup Intro
14:00-14:30 Global Pitch Battle 【テーマ:FoodTech】
■C Space Studioではロバート・ダウニー・jr.をはじめ著名人も多数登壇
CESにおける広告、エンターテインメント、コンテンツ・コミュニティの拠点として、C Space Studioには、世界の主要ブランド、広告主、メディア・プラットフォーム、コンテンツを一堂に集め、1月9日・10日にはさまざまな著名人も集まる。
アイアンマンなどで知られる俳優のロバート・ダウニー・Jr.は、1月9日のメディアリンクのMarketing Reinvented会議セッションに参加する。そのほか、ブレイク・グリフィン(Mortal Media共同設立者、元NBAボストン・セルティックス選手)、ライアン・カリル(モータルメディア共同設立者、テレビプロデューサー、カロライナ・パンサーズの元NFL選手)、T-Pain(音楽アーティスト、レコード・プロデューサー)も登壇する。
そのほか、主な基調講演の登壇者と日時・場所は次の通り。
- シーメンスCEO
ローランド・ブッシュ – 1月8日午後6時30分、ベネチアン、パラッツォ・ボールルーム
- ロレアルCEO
ニコラ・ヒエロニムス – 1月9日午前8時30分、ベネチアン、パラッツォ・ボールルーム
- スナップCEO
エヴァン・スピーゲルとメディアリンクCEOマイケル・カッサン – 1月9日午前11時、ARIA
- ウォルマートCEO
ダグ・マクミロン – 1月9日午後2時、ベネチアン、パラッツォ・ボールルーム
- インテルCEO
パット・ゲルシンガー – 1月9日午後5時、ベネチアン、パラッツォ・ボールルーム
- エレバンス・ヘルスCEO
ゲイル・K・ブードロー – 1月9日午後5時、ベネチアン、パラッツォ・ボールルーム
- HDヒュンダイCEO
チョン・キスン – 1月10日午前9時、ベネチアン、パラッツォ・ボールルーム
- ナスダックCEO
アデナ・フリードマン – 1月10日午後2時、ベネチアン、パラッツォ・ボールルーム
- クアルコムCEO
クリスチアーノ・アモン(Cristiano Amon) – 1月10日午後2時、ベネチアン、パラッツォ・ボールルーム
- ベスト・バイCEO
コーリー・バリー – 1月10日午後6時、LITディナー(招待客のみ)
いよいよ、明日1/9から開催される「CES2024」。
主催のCTAが100年を迎える今回は、面積も昨年比15%増、2会場を加え大規模に展開される。