展示会のブース企画方法#04 フレームワーク実践編③
- 2017/6/19
- ブース企画方法
展示会のブース企画のフレームワークも第3回を迎えました。今回は工業製品を対象にしてみましょう。工業製品は製品・ソリューションの種類が多いため、この回だけで十把一絡げに説明しきることは難しいですが、ぜひ自社製品・技術・ソリューションに当てはめるとどうなるか?という視点でご覧頂ければと思います。
工業製品のケース
まず、簡単にこのワークシートの振り返りをしてきましょう。「要素」はその商品全体を構成する部品、パーツ、素材、世界観など。「機能」は性能、効力、ベネフィットなど。「属性」はターゲット、商品名や商品コピー、想定ユーザー、製品が属する商品や業界ジャンルなどでしたね。今回のケースは展示商品が「4WS台車」です。4WS 台車をまず要素・機能・属性別に分類して書き出していくと、図1のようになりました。「要素」には、この台車が有する「回転半径が極小であることは、四輪操舵であるといった情報が記載されています。機能」には、鉄工所が開発しているが故のコストメリットや、4WS 台車を使用することで、工場の作業スペースをより小さく使用することができるといったメリットを抽出。補足解説を致しますと、2DS 台車が曲がって走行しようとする場合、直角に対して楕円を描いて走行するのに対し、4WSは直角に曲がることができます。これによって、作業スペースをより確保することができるワケです。「属性」情報は数を出すことができませんでしたが、このワークに取り組んだ担当者の方が、ワーク中にパッ!と頭に浮かんだ製品のキャッチコピー「四角くついていきます」を書き込みました。このコピーは工場内の効率的なスペース管理に悩んでいる企業担当者にとっては、ハッとさせる力があるかも知れません。こうして抽出、分類した情報から、最も際立たせる情報として、ここでは「回転半径が極小」、「作業スペースをより広く確保できる」という二つを選びました。際立たせる情報が決まれば、次に取り組むのは、どのようにして際立たせるかというメソッド選びです。今回のワークではこの製品の導入を検討する企業担当者が、男性が多く、ミニカーなどに熱中した世代と仮定して、こうした担当者が思わずブースでワクワクするような仕掛けを与えたいと、比較・実証メソッドに加えて、置換メソッドを採り入れました。具体的には、この企業が 3DSプリンターを活用しているという自社リソースを活用して、4WS台車と2DS台車のミニチュアをつくり、その走行性を箱庭のような工場セットを用意して、比較してみるというブース内の体験を企画されました。これは、仮ターゲットがミニカーなどが好きだったのではないか?という大胆な仮説から考え着いたアイデアだったのですが、トミカやラジコンなどに熱中した世代にとっては胸が熱くなるような体験を提供できるのではないでしょうか。ここで補足したいのは、このターゲットを仮設定したことで、台車のミニチュアをつくるというアイデアが生まれているので、「属性」情報にはターゲットを書き込んでおくと良いのですね。ターゲットは一種類である必要はなく、複数設定しても構いません。そのターゲットの書き方も、年齢、性別に止まらず、仕事上課題としているであろう事柄も書いていくと、さらにブース企画のアイデアが湧いてきます。さて、このブース企画。少し先ですが、2017年7月27日(木)に、株式会社宣伝会議で展示会出展に関する基礎知識や獲得した名刺への営業方法などを学べる一日集中講座「展示会出展実践講座」として開催されます。 ご興味があればぜひお越しください!
https://www.sendenkaigi.com/class/detail/exhibition.php
前田考歩
株式会社フレイ・スリープロジェクトエディタープロジェクトマネージャー
▶︎展示会のブース企画方法#01 出展企画者あるある
▶︎展示会のブース企画方法#02 フレームワーク実践編①
▶︎展示会のブース企画方法#03 フレームワーク実践編②
▶︎展示会のブース企画方法#04 フレームワーク実践編③