シンガポール・エキシビション&コンベンション・ビューロー(SECB)のコンベンション・展示会開発担当ディレクターのアンドリュー・プア氏が7月に来日。日本の展示会関係者にシンガポールでの展示会開催を呼びかけた。

アンドリュー氏はファイナンス企業での経験を活かし、18年にわたりシンガポール政府観光局(STB)に勤務、料飲関連や中国市場開発などを担当し、STB傘下のSECBに異動。海外展示会のシンガポール開催や、シンガポールの展示会への海外からの送客などのためのパートナーシップ構築を手がける。

展示会誘致について、アンドリュー氏は「展示会をそのままシンガポールにもっていくのは大きな挑戦だが事例がないことはない。ドイツからハノーバーメッセのアジア版ともいえる“Industrial Transformation Asia Pacific”を今年開催します。日本からもかつては縫製機器、溶接技術などの展示会やセミナーを開催したこともあり、また、近年は食の展示会”Oishii Japan”など食の展示会が成功しています」と語る。シンガポールで開催することで、ASEANや中国市場への足がかりになる、といったメリットを訴求していく。

アンドリュー氏は日本の展示会産業について、「シンガポールにとっては大きなポテンシャルを秘めた魅力的な市場。ドイツ・イギリスと同様非常に大きな規模の展示会や主催者がいます。東京五輪の際に東京ビッグサイトが使えなくなるのは、多くの主催者にとって、地方や海外での開催に挑戦するいい機会ではないか。五輪後には本拠地である東京に戻ればいいし、臨時に開催した都市はサテライト開催などなんらかのコネクションを続ければいいのでは」と語っている。

シンガポールと日本は、成熟した経済や金融システムなどのインフラに加え、少子高齢化社会など社会課題も共通しており、日本で成功した展示会をシンガポールで成功する可能性は高く、パートナーシップを組むメリットは大きいと考えている。具体的には、ロボティクスやAI、ブロックチェーンといった付加価値の高い高度情報技術産業、ヘルスケアや機能性食品などQuality Of Lifeといったクラスターに注力していく。

MICEという言葉の定義についてアンドリュー氏は、「抽象的なコンセプトを具体的な施策に落とし込んでいくことは難しいが、シンガポールは初めてMICEという単語を使った国でもあり、国のビジネス構造からみてもダイナックなMICE都市となっています。4つのコンセプトを1つに定義することは、運営側からみると便利ですが、主催者を誘致する側から考えると、それぞれのセグメントの特性があまりにも離れていて、アプローチ方法が異なります。毎年同じ都市で開催するものもあれば、世界をローテーション開催するもの。一般企業にアプローチするも協会や学術団体へアプローチするもの、産業全体にアプローチするものなどさまざまです」と説明する。

また4つのセグメントは密接に関わりあっており、1つの枠のカテゴリーとして考えるメリットは大きい。SECBは、会議と展示会をあわせたコンフェックスという言葉を用いて、国際会議と展示会を同時開催することにより、その分野の産学官のステークホルダーが一同に集まり、研究段階から実用化、市場化までイノベーションのすべての段階が集まるのは大きなメリットを提供している。

さらに、グローバル企業のミーテイングやインセンティブも一緒に開催することも増えるため、宿泊やミーティング、インセンティブもまとめてカバーできるのだという。「そのためには各産業に関する知識や人的ネットワークが重要で、それらをMICE誘致の部署が一括してカバーすることはマーケティング的にも大きなメリットがあります」語った。

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