営業目標を達成する予材管理とイベント #2 予材管理の運用2つのプロセス
- 2015/10/18
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第1回目では、予材管理の概念について解説を致しました。第2回目の今回は、予材管理の運用について触れていきたいと思います。
予材管理の運用プロセスは、大きく2つのプロセスに分類されます。「予材資産をする形成するプロセス」(以下、プロセス①)と「予材を新陳代謝させながら受注へ移行させていくプロセス」(以下、プロセス②)があります。(図参照) まずは、プロセス①について詳しく解説していきます。
予材資産(顧客との関係資産)を形成していくプロセスですので、定期的にポテンシャルがある顧客へ接触し関係性を築いていく必要があります。
重要なポイントは、関係値構築を目的にしているので、商品のPRを積極的に(押し売り)してはいけません。
人は、何かしらの対象物と繰り返し接することで、警戒心が薄れ、好意度が増していくという「単純接触効果」(認知心理学の法則)を利用し、関係性を築いていきます。
1回の接触滞在時間は2分間程度(ご挨拶程度)で十分です。その変わり、ポテンシャルがある顧客であれば、何度も繰り返し足を運んでいきます。
ただ、メールや電話ならともかく、訪問(face-to-face)になると直接相手をしなければならないから、さらにうっとうしいのでは…と思われるかもしれませんが、やり方次第です。
BtoB 営業の場合は、いきなり顔を合わせ「二度と来るな!」と言う人はあまりいませんので、まだ関係性がない先でも「どうも」くらいのことは言います。
「先日のイベントにご来場いただき誠にありがとうございました。何かお気付きのところはございましたか。それではまた、何かありましたら…」と営業がこのようにひとこと言って帰ろうとしたらどう思われるでしょうか。
「あれっ、もう帰るのか・・・」と聞きたくなることでしょう。
「すぐ近くに私どもの取引先があるので寄らせて頂きました。また、顔を出させてください」と言い、帰っていきます。2週間後、営業がまたやってきて、「新しいパンフレットができました」と手渡しし、またすぐに帰ります。この繰り返しが、「単純接触効果」を狙う行動の基本です。
1回の接触時に「何をするか」を考えるよりも、繰り返し何度も「face-to-face で接触した」という事実を作ることの方が、プロセス①では重要になっていきます。
今後は、プロセス①もマーケティングオートメーションなどの普及により、営業がわざわざ足を使って能動的に接触をしていく顧客先は少なくなる可能性はありますが、接触する対象数と優先順位が変わるだけで、営業の基本的な活動は変わりません。なぜなら、信頼関係を築くという意味では、「face-to-face」が一番効果的だからです。
現状の日本の中小企業のほとんどは、まだまだマーケティングセクションがない企業が多く、営業が案件の刈り取りをしつつ、案件を発生させる為の活動(プロセス①)をしなければならない状況です。そのような企業では、営業マネジャーは、いかにプロセス①の活動に焦点を合わせ、現場の営業へ最適な行動配分を指揮していくのかが重要になっていきます。
次回は、プロセス①で重要となる「行くべき先の見極め」ポテンシャル分析について、解説していきます。