アドビ システムズは2019年3月6日、2018年10月に米国アドビ本社が発表したマルケトの買収を受け、日本での事業戦略説明会を行った。
説明会では、アドビ システムズは3月1日付でマルケトとの統合を完了。統合にともない、マルケトの代表取締役社長アジア太平洋日本地域担当プレジデントであった福田康隆氏は、アドビシステムズの専務執行役員マルケト事業統括に就任。アドビ システムズ代表取締役社長で、日本およびAPAC(アジア太平洋地域)代表のジェームズ・マクリディ氏が率いるリーダーシップチームのメンバーに加わる。
ジェームズ・マクリディ氏は「マルケトのソリューションはユーザーから高い評判を獲得し、関係性を構築している。統合後も国内のユーザーやパートナーとの関係性を継続してほしい」と期待を語る。
クリエイティブ分野のAdobe Creative Cloud、PDFフォーマットや電子サイン機能を加えたデジタルドキュメント関連のAdobe Document Cloud、デジタルエクスペリエンス分野のAdobe Experience Cloudという3つのクラウドソリューションを展開するAdobeだが、今回の統合についてアドビシステムズ専務執行役員でAdobe Experience Cloudを統括する鈴木和典氏は、「マルケトソリューションが加わることで、アドビがもつ(Adobe Experience Cloudにおける)分析からコンテンツ管理、パーソナライゼーション、広告、コマースといったさまざまなソリューションに加え、マルケトのもつリード管理、アカウントベースドマーケティング技術を合わせ、両者のお客様への提供が可能になる」と語った。なお、アドビ システムズでは昨年5月にMagentoを買収、コマースクラウドが追加となり、ECサイト上で統合された顧客体験の提供ができるようになった。
アドビシステムズの専務執行役員マルケト事業統括に就任した福田康隆氏は「5年前にマルケトとしてスタートした2014年は日本のマーケティングオートメーション元年だった。社員は数名からスタートしたが、結果として日本法人では100名、『MARKETING NATION』と呼ぶユーザーコミュニティは2000名規模に拡大。年次やテーマ別に学び合うコミュニティが形成され、500社のパートナー企業と連携して企業のデジタルマーケティングの全体を支えてエコシステムをつくってきた。アドビの一員となって、さらに広いデジタルマーケティング、デジタルトランスフォーメーションを提供していけることをうれしく思っている。昨年秋の買収の発表後にはお客様からも高い期待の声をいただいている」と語った。
なお、マルケトの社員メンバーは、3月1日からアドビ社員となるが、当面は従来の六本木オフィスで業務に当たる。
今後の製品開発方針は、3月下旬に米ラスベガスで開催する「Adobe Summit2019」などで発表される。