箭内道彦氏、小橋賢児氏らがクリエイティブディレクターにー「東京2020NIPPONフェスティバル」

4月4日、東京2020組織委員会は、東京2020大会の公式文化プログラム「東京2020NIPPONフェスティバル」のキャッチフレーズ、組織委員会主催プログラムの企画概要およびコンセプト映像について発表した。

 

公式文化プログラムは、”オリンピックは、スポーツの祭典としてだけでなく文化の祭典(文化オリンピアード)でもある”というオリンピズムの第1の根本原則とオリンピック競技大会の39条に法って行われるもので、1912年ストックホルム大会から1948年のロンドン大会までは芸術競技としてメダルの授与もあった歴史がある。1992年のバルセロナ大会以降は現在の文化プログラムとして実施されているもの。

 

「東京2020NIPPONフェスティバル」の開催の時期は、2020年の聖火リレーがはじまり、東京に注目があつまる4月からパラリンピックの閉幕の9月までで、国・自治体・文化団体等と連携し、日本文化を国内外へ発信する文化フェスティバルを全国で展開する。事業体系としては、組織委員会主催の4つのプログラムと、組織委員会が共催する自治体等が行う特別な文化プログラムが行われる。現在も、各自治体からの相談を受け付け、企画調整中だという。

 

キャッチフレーズは、「Blooming of Culture 文化は、出会いから花開く。」。東京2020組織委員会副事務総長の小宮正章氏は、「4月は桜の開花時期にもあたり、四季を楽しむ日本文化から委員会で検討開発した」と解説した。

また、組織委員会主催のプログラムとして、キックオフイベント、開幕直前イベント、パラリンピック開幕直前イベント、東北復興イベントの4事業について、企画概要とともに制作関係者が説明した。

 

キックオフイベントは、“大会に向けた祝祭感”をテーマに、東西を代表する無形文化遺産・舞台芸術の歌舞伎とオペラの融合による世界初の舞台。歌舞伎俳優の市川海老蔵さん、オペラ歌手のプラシド・ドミンゴさんがコラボレーションする。

 

開幕直前イベントは、“参加と交流”をテーマに、日本文化を通じて様々な人々が踊りや歌の交流を通して参加し、交流する場を創出するもの。

 

パラリンピック開幕直前イベントは、“共生社会の実現”をテーマに、障がいのある人やLGBTを含めた多様な人々が参画し、待つ中で様々なアートやパフォーマンス活動などを展開する。企画・制作担当者はクリエイティブディレクターの小橋賢児さん(LeaR株式会社代表取締役)が務める。

 

東北復興イベントは、“東北復興”をテーマに、東北各県や東北絆まつりと連携し、東北各地・東京を舞台とした文化プログラムを2020年5月から7月の期間、キャラバン展開。各会場で東北の人々のメッセージを巨大人形『モッコ』(東北弁のおだずもっこが由来。お調子者、人気者)に託し、国内外へ東北の現在の姿を発信する。クリエイティブディレクションは、クリエイティブディレクターで東京藝術大学学長特別補佐・美術学部デザイン課教授の箭内道彦さんが務める。

 

今回、クリエイティブディレクターとして就任した小橋賢児さんは音楽フェスティバルのディレクター経験などから「ひとりのアーティストから気づきのきっかけをもらうことがある。さまざまなマイノリティ、生き方のひとと出会って、相手を知って、自分を知る。そんな回遊ができて、クロスオーバーするような、違う個性、同じ鼓動をテーマに、ほんとうの意味でのダイバーシティインクルージョンを音楽を通して感じて欲しい」と話した。

 

また、箭内道彦さんは福島県郡山市の出身であることを踏まえ、「東北というと、遠慮深いというイメージがあるかと思う。じつは、クリエイティブな土地。モッコを命名した宮藤官九郎さんも宮城出身で、面白いひと多い。もともと東北にあったなにかを生み出すパワー。胸の奥に秘めたユーモアは復興の力になっていたと思う。文化・アートは東北復興の役割をもっている。伝統文化や若いアーティストとのセッションをしていきたい」と語った。

同時に発表されたコンセプト映像は、東京2020オリンピック・パラリンピックエンブレムをモチーフに、律と律動、伝統と革新などをテーマに制作され、フェスティバルのマーク制作者の野老朝雄さん、アルゴリズミック・デザインを慶應義塾大学SFC環境情報学部准教授の松川昌平さん、和太鼓演奏を太鼓奏者の林英哲さんが担当している。

東京2020組織委員会は、現時点では、開催日・場所・構成内容は未定も多いが、東京2020のレガシーになる文化事業になる、としている。

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