品川シーズンテラスでは、6月6日(木)まで「いまこそ応援!東北復興イベント2019〜知って、食べて、考える、被災地のこれから〜」が開催中だ。
商業施設・文化施設などの空間づくりを行う丹青社と富士通との共同開催で、2社はいずれも品川シーズンテラスにオフィスを置く“ご近所”同士。イベントでは、宮城県、福島県、岩手県の被災地産品等の直売会、『河北新報』の地域に根ざした新聞報道記事や震災当時と現在を比較する写真の展示、富士通や丹青社が携わってきた地域での活動紹介がパネル展示されている。また、今回特別展示として、写真家平林克己氏とコピーライター横川謙司氏による写真と言葉のメッセージ展『陽 ―HARU― Light &Letters展』も実施している。
主催者で、同イベントリーダーの丹青社 平地洋さん(東北復興プロジェクトリーダー)はイベント開催のきっかけを「『被災地のいまを知ってもらうことで応援したい』という思いがあり、物産と展示、シンポジウムというカタチで2017年に実施したのがはじまり」と話す。丹青社といえば、空間づくりのプロフェッショナルでイベント実施もスムーズな印象だが、主催者の立場でイベントを開催するのは苦労したという。
「博覧会や展示会でブース制作の経験は豊富でも、主催としてプログラムや準備を社内外と連携して行うのは苦労しました。デザインや制作というパートでは専門知識をもって段取り良く実施しますが、プロジェクトの主体となってみると、どう進めるのか、試行錯誤しながら進めました」(平地さん)
初回の開催後に品川ガーデンテラスにて別々に復興支援イベントを開催していた富士通から「次回は一緒に」と申し入れがあり、2回目からは共同主催として実施している。
平地さんが3回目の見どころと紹介してくれた、特別展示の「陽 ―HARU―Light &Letters展」は、写真家平林克己氏が被災地で陽が昇る瞬間を撮影したもので、未来、復興、立ち直りをテーマにした写真に、コピーライター横川謙司氏が言葉を加えることで、よりわかりやすく提示する内容だ。写真だけ、言葉だけでは伝えるのがむずかしい、時間の経過や展示された東京と被災地の距離感などがメッセージとして、観る側の主体性を問う。こうした新たなプログラムは丹青社が行っているアクティビティでの出会いがきっかけだという。
「ゼロからスタートしたイベントで、つぎはぎだったかもしれないけれど、続けていくことで社外からお褒めや応援の言葉もたくさんいただいた。アクションを起こさなければ生まれなかった出会いもたくさんある」と平地さんは話す。
東北復興イベントプロジェクトの丹青社メンバーは32名、デザイン、制作、総務などさまざまな部署から集まり、当日現場ではさらに28名のアテンドスタッフが加わって運営する。
アテンド役のスタッフは丹青社の新入社員メンバーで、「東北復興イベント開催中です!」と元気に声をあげていた。6月6日(木)の開催は、11時から19時まで。直売会は品川シーズンテラス1階エコ広場で、パネル展示と特別展示は2階アトリウムで行っている。