世界最大級規模の企業主催イベントDreamforceに行ってきた

(文=尾花 淳 2BC株式会社 代表取締役)

CRMを中心としたIT製品をクラウドで提供しているセールスフォース・ドットコム社が、年次イベントである「Dreamforce2015」をサンフランシスコで、9月15日~18日に渡って開催した。提供する製品の拡充とそのユーザー増加に呼応するように規模が年々拡大しているが、本年は、来場の事前登録が17万人、実施されたセミナー・セッションが1,500、協賛出展企業が400社と、単独企業が主催するイベントとしては名実ともに世界最大級のイベントとなっている。

DreamForce1巨大なコンベンションセンターを中心に、周囲のホテルの宴会場、ショッピングモール内のスペースやカフェまで貸しきり、また、道路も封鎖してステージを作り、道路には会場の案内図をプリントし交差点には会場案内図を持った係員が立っている(施設内ではなく街の交差点ですよ!)など、街中をジャックしてのイベントは否が応でも参加者の気分を盛り上げる。大勢の参加者に宿泊施設も足らず、今年は、豪華客船を港に停泊させて、その客室をホテルかわりにしていたほどだ。これはもちろん、話題作りの側面が大きいだろうが、でも少し予約が遅れると会場まで1時間以上かかるところか、普段の5?6倍の値段で宿泊しなければならない事情を考慮すれば実効性もそこそこあるのだ。

Dreamforce3キーノート・スピーチのオープニングではスティービーワンダーが華を添え、中日の夜はライブで盛り上がる・・・と、まぁとてつもないイベントである。本紙の読者からすると、このイベントの企画・演出・運営など学べる点は数多くあるかと思うが、ブランディングにマーケティングに、そして、セリングやユーザーサポートの場としても機能させていることは、規模は難しくとも、参考にしたいところだろう。

マーケティングシステムも提供している同社だが、そこでは例年と比較すると「地に足のついた」展Dreamforce2示やセッションだと感じた。これまでの数歩先行くコンセプト押しから、実際にマーケターが実践できる内容を強く押していた。実際のユーザー企業とのQAセッションなどでもレベルの高い質問も数多くでて、データ・ドリブンなマーケティングの本格的な幕開けを予感させた。

 

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