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#LOCAL Meetup 第2回:神奈川県逗子市 財政難と老舗店の跡地利用を考える
- 2019/10/4
- イベミラReport
3月14日、地方創生を考えるコミュニティーイベント「第2回 #LOCAL Meetup」を開催しました。今回は、ゲストスピーカーとして神奈川県逗子市にご登壇いただきました。
#LOCAL Meetupは、地方が抱えるさまざまな課題について、ワークショップ形式で議論するイベントです。毎回自治体の担当者をゲストにお招きし、まちの課題や悩み、目指すべき姿などを参加者に共有し、それをもとに皆でディスカッションします。参加者の皆さまにも、地方への理解を深めて課題をより身近に感じるとともに、自分の経験から得た知見やノウハウをシェアし合う機会としていただくことを目指しています。
#LOCAL Meetupの発起人であり司会進行を務めた伏見学は冒頭で「このイベントの主役はワークショップに参加する皆さん。知っているようで知らない”地方”について考え、アイデアを具現化するきっかけになれば」と話しました。
●逗子市が抱える”マクロ”と”ミクロ”の課題
今回は「持続可能なまちづくり 財政難と老舗玩具店の閉店を事例に」をテーマに、逗子市子育て支援課の川嶋名津子さんにお話しいただきました。
マリンスポーツや別荘地としてのイメージがある逗子市ですが、市の収入の半分を占める市税は平成20年度以降減少し、平成28年度の市税収入は平成20年度に比べて約10億円の減少となりました。都心にアクセスが良いベットタウンとして発展してきましたが、住民のライフステージの変化に伴って高齢化が進み、税収の減少に反比例するように社会保障費は大きく増加しています。法人税収入が少なく税収の50%以上を個人市民税が占めるため、今後税収が劇的に増加することも見込めません。こうした背景から2018年、7億円規模の緊急財政対策が敷かれました。
「取り残された親世代が住むまち」ともいえる逗子市のこうした現状を象徴する出来事の一つに、1945年創業の老舗玩具店「のんきや」の存続問題が挙げられます。逗子のメインストリート「銀座通り」にある同店は、かつて放課後の子どもたちの居場所として親しまれた商店街の顔ともいえるお店でしたが、ネット通販や大手量販店への顧客の流出で売り上げが低迷、閉店を検討する事態となりました。
しかしながら、地元の人たちの強い希望もあって、何とかしてのんきやを残そうとする動きがあります。登壇した川嶋さんからは、参加者へ向けて「このような店が生き残るためには? 老舗玩具店のエッセンスを残す活用方法は?」という問いが投げ掛けられました。
●ベッドタウンという特徴を逆手に
ワークショップでは、これらマクロ / ミクロの課題に着目し、前半で「どうする財政難!?」を、後半で「老舗おもちゃ屋・のんきやの活性化」をテーマに設定。逗子市出身の方や仕事で”地方”に関わっている方、個人の課題として地方創生を考える方など、様々なバックグラウンドを持つ参加者らが4つのテーブルに分かれ、各テーマにつきそれぞれ約20分間をかけて意見を交わしました。
「どうする財政難!?」のテーマでは、「オフサイトミーティングの聖地・逗子」構想が提案されました。ベッドタウンである逗子から平日の昼間に1万1000人のビジネスマンが流出してしまうという課題に対し、逆に1万1000人のビジネスマンを逗子に呼ぶプランとして、東京から1時間という適度な距離感を生かしたオフサイトやコワーキングスペースでの利用を想定。さらにこれらのキーワードからは“意識高い系”のビジネスマンが連想されるため、迎え入れる旅館や喫茶店にリッチな環境を整えることによって、SNSでの拡散も期待できるという案が出されました。
逗子がコワーキングスペースの設置に適した土地であるというコメントが多く飛び出す中、一戸建てが多くアパートやマンションが極端に少ないというまちの特徴を指摘したグループからは、空き家問題と絡めて逗子への「試し住み」ができる環境を整備してみてはどうかというアイデアが出されました。他にも、身近なインバウンドの流入元として、まずは逗子市内にある米軍住宅の人たちに来てもらえるようなまちにしたいという意見や、夏以外のシーズンにも市外から訪れてくれる人が増えるよう、秋冬のイベントを意識的に仕掛けてみてはどうかという意見が出されました。
●老舗玩具店の“役割”を残す
後半のテーマである「老舗おもちゃ屋・のんきやの活性化」では、のんきやを「物に加えて、人・サービスが集まる場にする」という発想を軸にしたアイデアが多く飛び出しました。のんきやが愛される理由ともなっていた店主の人柄に触れ、店主が一人一人におすすめのおもちゃを選んでくれるサブスクリプションモデルのサービスを提供してみてはどうかという声や、店で借りたおもちゃを使って逗子の豊かな自然の中で遊べるような仕組みづくりをしてはどうかという声。
他にも、子育て中の母親同士が悩みを共有したり、地域の人々に相談をしたりするという活用方法が提案されました。また、おもちゃメーカーが新しく開発した商品をどこよりも早く試せるテストマーケティングの場とするアイデアや、サイクリストにとって都心から程よい距離である逗子に本格的なサイクリングショップを作るなど、全く新しいビジネスの場に生まれ変わらせるアイデアも。最後に「のんきやでの良い思い出をもつ大人たちが、今の子どもたちに同じような体験を用意してあげることによって、のんきやの“役割”は100年後も続くことができるのではないか」という意見が出ると、参加者から多く共感の声が聞かれました。
ワークショップ終了後はそのまま懇親会を開催。様々なバックグラウンドをもつ参加者同士で交流を楽しみました。#LOCALは今後も、多くの方にご参加いただくことによって、多様なアイデアが生まれる場の創出を目指します。
(撮影・文=#LOCAL Meetup)