一般社団法人 日本展示会協会(日展協)は、6月10日、「展示会業界における COVID-19 感染拡大予防ガイドライン」(以下、展示会ガイドライン)を作成、webサイトを通じて発表した。
展示会における新型コロナウイルス感染予防対策として実施する際に参考となる基本的事項を整理したもので、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が公表した「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を踏まえて、策定されたもの。
日展協では、今年 2 月下旬以降に予定されていた展示会は、すでに約 450 本が中止・延期となっているとし、展示会ガイドラインは、産業を活性化し、開催地に巨大な経済効果をもたらすなど、経済発展の牽引役として大きな役割を果たしてきた展示会の再開の指針となりそうだ。
「展示会業界における COVID-19 感染拡大予防ガイドライン」の概要(対策項目を抜粋)
・共通で行うべき対策(主として、主催者、会場管理・運営者、展示会支援企業)
・主催者が行うべき対策(計画時/準備時/搬入時/会期中/搬出時/セミナー・シンポジウム・式典等)
・会場管理・運営者が行うべき対策(会期前/搬入時/会期中)
・支援企業が行うべき対策(ブース施工・備品レンタル・電気配線など展示装飾関連施工会社が行うべき対策/飲食店・売店・休憩所・ラウンジにて行うべき対策/清掃会社が行うべき対策/派遣スタッフ会社・警備会社が行うべき対策)
・出展者に促すべき対策(計画時/出展準備時/搬入時及び搬出時/会期中)
・来場者に促すべき対策
展示会に関わる主催者、会場管理・運営者、展示会支援企業、出展者及び来場者は、対処方針の趣旨・ 内容を十分に理解した上で、展示会ガイドラインを踏まえ、現場において試行錯誤をしながら、それぞれの周 辺状況や施設様態、開催地の都道府県の意見も考慮した創意工夫も図りつつ、新型コロナウイルスの 感染防止に取り組むことが求められる、としている。
また、展示会ガイドラインでは、海外でのイベント開催の状況についても言及。たとえば、BtoB展示会の特徴の記述のなかで、「ドイツでは 『1000 人以上が集まる大規模イベントは 8 月末まで開催禁止』されているが、来場者数が 1000 人を大 きく上回るものも多いにも関わらず、展示会は、この禁止対象から外されており、州政府の判断で感染防 止策の徹底の上で開催できるようになっている」と、紹介されている。
日展協では、展示会ガイドラインは、2020(令和 2)年 6 月 10 日現在の状況に基づくものであり、今後適宜改訂する、とし、特定事項の詳細や事例を示す必要が生じた場合 には、迅速にホームページに掲載する、としている。
本紙が4月に行った「コロナ禍のイベント活動・事業に関するアンケート」でも、イベント開催が可能になる条件やガイドラインの明確化への要望は多く、主催者、出展者、サポート企業などさまざまな関係者が一丸となって取り組めるガイドラインの発表は今後の開催の流れを後押ししそうだ。