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2018 年の展示会トレンドを考える <その4> メッセフランクフルト ジャパン
- 2018/4/30
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2018 年の展示会トレンドを考える <その4>
メッセフランクフルト ジャパン
美容・ペットなど好調 チャレンジ姿勢で
メッセフランクフルト ジャパン株式会社
代表取締役社長 梶原 靖志さん
2017 年を振り返る
2017年、メッセフランクフルトグループ全体では過去最高の売上高6億6100万ユーロを記録しました。日本市場でも各展示会で成長がみられましたが、とりわけ、3都市で開催しているエステ・ネイル・美容商材展「ビューティーワールド」は、東京と大阪ではそれぞれホールを拡大して場所も確保でき、結果として、全社の成長に寄与しました。もう一つ特筆するとすれば、「Interpets(インターペット)~人とペットの豊かな暮らしフェア~」です。今年で8回を数え、順調に成長を続けて今回4ホールでの開催となりました。
「ビューティーワールド」は、来場者にとって参加しやすい場所へ自ら行く、というコンセプトで3都市開催展開したものです。どの産業展示会であっても、日本では開催地の地元参加者が全体の80〜85%程度を占めるというのが通例。美容商材に関しては、美容室やサロン経営者、技術者が参加層ですので、特にその傾向が強く東京以外でも展開したんです。当初は、大阪開催は西日本市場を対象に誘致しましたが、広島以西からの集客に苦労しました。福岡開催は2014年からでこれからさらに足腰を鍛えなければいけないですね。いずれにしても展示会の立ち上げというのは苦労します。実際に展開をしてみて、それぞれの地域なりの特色を出すことが大事だと思っています。
また、「Interpets」は日本独自の新規展示会としてゼロから立ち上げた展示会。グループ全体ではBtoBの大規模展示会を軸に展開しているなか、BtoCに挑戦した展示会で、ドイツ本国からは懸念の声もありましたが、日本のペットとのライフスタイルに合った内容が継続した成長の要因だと分析しています。
デジタル化とニーズ捉えたスタイル提案
グループ全体では、支社ごと、展示会ごとにアプリの提供や出展者・来場者に向けたオンラインのプラットフォーム提供によるデジタル化の推進を図っています。それは、今後、グローバルに統合されていく流れになるとみています。
日本では、出展マニュアルの一部オンライン化などには着手できているものの、アプリ提供は行っておらず、個人的にはデジタル化を推進していきたいところです。というのも、デジタル化=ペーパーレスという点もあります。国際的な流れであるデジタル化に遅れることのないよう積極的に進める予定です。
すでにフランクフルトでは、何年も前から出展申込の段階から一切紙を使わずにオンライン化を進めています。日本よりも参加国数が多い国際展示会で、先進国から途上国まで幅広いにもかかわらずそれができているのですから、日本でも可能なはず。来場シーンでも同様で、会場受付で当日登録を紙で受けている限りにおいては、展示会の開催年ごとに完結するデータになってしまう。デジタル化すれば、来場者さんにとっても、リピート参加の方には同じ情報を登録し直してもらう必要がなくなり、最適な展示会の案内が届くようになります。デジタル化はオペレーションする主催側にとっても記入データの入力、タイプミスや重複データ整備など手間が省けるなどのメリットがあります。
グループ内には、国際会議の受託業務をし、G20やIOC総会なども受託しているアルゼンチンのような支社もあれば、展示会だけでなくカンファレンスも積極的にしているドバイやインドなどの支社もあります。カンファレンスのタイプには大きく分けて3つあり、展示会と併催のもの、展示会と同テーマで展示会会期とは別の日程でやるもの、全く独自文化でカンファレンス単体として行うものです。本社としては大規模展示会を軸にという方針はありますが、カンファレンスが展示会に与える影響もあります。日本では、展示会のみで展開してきましたが、さらに既存分野を成長させ、新しい分野を開拓するためにもカンファレンスもやっていきたいところではあります。「ビューティワールド」でデモンストレーション形式のカンファレンスを展示会とは別に、より専門性を高めて展開するなどしています。
また、チャレンジは展示会でも制限をかけず進めていきたいと思っています。新しい展示会や、あるいはMICEのEとそれ以外を業界団体のサポート体制もとりながら連携させ横展開し横断的な開催をするなどの動きも検討したいと思っています。