祭りのケータリング・屋台家千寿堂
運営 株式会社Point World(ポイントワールド)
代表 絹笠大介さん
企業パーティーやイベントへのケータリングサービス事業を展開している株式会社Point World(ポイントワールド)。大規模なイベントやウェディングパーティーなど幅広いシーンへの提供が可能なケータリングFUORICLASSE(フォリクラッセ)を運営しており、2019年からは祭りのケータリング「屋台家千寿堂(やたいやせんじゅどう)」の運営もスタート。
代表の絹笠大介さんに、屋台家千寿堂立ち上げのきっかけや、コロナウイルス禍でのケータリング事情等について話を伺った。
お祭りは行くものから呼ぶものへ? 新しいイベント形式のニーズづくり
——屋台家千寿堂を立ち上げたきっかけを教えてください
絹笠 弊社では2012年からフォリクラッセというケータリングブランドを展開していました。
屋台家千寿堂は2019年に始動し、ケータリングフォリクラッセの姉妹ブランドという位置づけです。
フォリクラッセへのケータリング依頼の中で「お祭りや縁日風の懇親会をやりたい」というお声が数件ありました。縁日の屋台で提供するような料理を作ったり、屋台そのものを手配したりして提供したところお客さまに大変好評でした。
この縁日風ケータリングを提供するにあたって調べたところ、屋台やかき氷機・ポップコーンマシンなどの機材をレンタルしてくれるサービスはあったのですが、設営やフードの提供スタッフといったあたりまでやってくれるところは見つけられなかったんです。
それで、屋台・機材などハード面に加えて設営・提供のソフト面までを行うお祭り/縁日専門のケータリングサービスを作れば、ニーズそのものを作れるのでは?と思い、立ち上げたのが屋台家千寿堂です。
しかもその祭りを、自社オフィスや貸しホールなどの室内で開催できるとしたら結構面白がってもらえるのではないかと考えました。
日本人の皆さんは祭り好きですし、外国からの観光客の皆様も日本のお祭りの雰囲気に興味を持っていらっしゃるという事を様々なメディアを通じて感じていたので、需要をつくれるのではないかと。
——どんなお問い合わせが多いですか?
絹笠 個人様からのお声掛けは今のところ少なく、企業様からのお問い合わせがほとんどです。
実行に至るものでいうと、100%企業様からのご依頼です。
最近いただいているお問い合わせのイベント趣旨としては、新入社員や内定者歓迎会などが目立ちます。その他はキックオフイベントなどが多い印象です。
コロナウィルス禍でイベント開催 その傾向や変化とは
——コロナウィルス禍の影響はどんなものがありましたか?
絹笠 この夏でいうと、問い合わせ・実施は昨年に比べ8割ほど減ってしまいました。
本来であれば夏の時期はピークのはずなのですが、イベントを自粛されているところが多いようです。
しかし、それでもケータリングフォリクラッセよりはお問い合わせ件数が多い状況です。大規模なパーティーはできないけれど、3密を避けて規模を縮小しつつも、お祭りのにぎやかな雰囲気を味わいたいという需要が少なからずあるように感じます。2021年の1月実行分まで、問い合わせはポツポツと入ってきています。
先々の問い合わせがあるのは、コロナウイルスの収束を期待しての事もあるかもしれません。
——お問い合わせ案件の人数規模はどのくらいですか?
絹笠 こちらも以前に比べてだいぶ少なくなりました。
昨年までは1回の開催で数百名規模のゲスト数でしたが、ここ最近は20〜30名までの以前と比べるとこぢんまりとした内容がほとんどです。
——コロナウイルス感染拡大防止の観点で気をつけていることや取り組みはありますか?
絹笠 食品をお届けするという事もあり、もともと衛生面にはかなり気を遣ってきましたが、これまで以上にアルコール消毒などは徹底しています。
それに加えて、現地へ向かう前に弊社内で検温を行いスタッフの健康状態もチェックしています。
それと、これはコロナ禍だからというわけではなく元々そうなのですが、屋台家千寿堂で提供する料理はすべて個食スタイルです。
お一人分ずつ小分けにしてあるのでビュッフェ形式と違って他の方との接触機会が少ない提供方法をとっています。
もしかしたら、この個食スタイルがコロナ禍でのイベントでも安心できる要素として評価いただいているのかもしれません。
——イベントが再開されときに向けてなにか準備はされていますか?
絹笠 ホームページをもっとわかりやすく改変したり、屋台のメニューラインナップも増やしていきたいと考えています。
また、将来的には料理や屋台ゲームだけにとどまらず、エンターテイメント要素の強い部分まで対応できるようにしていきたいとも思っています。例えば櫓(やぐら)を組んだり、盆踊りをしたり、花火を打ち上げたりという事までをパートナー企業さんと組んでやっていけたら良いなと考えています。
——今後、イベントはどうなっていくとお考えですか?
絹笠 間違いなくこれまでのイベント形式とは大きく変わっていくとは思います。
イベントそのものの規模が縮小してく流れですが、そんな中でもFace to Faceで行うリアルイベントが完全に消える事はないとも考えています。
どうなるかを予測するのは難しいですが、新しいニーズをいち早く汲み取って、イベントに関わる私達自身が変化を恐れずに行動していくのが重要だと感じています。