歌舞伎企画「雅屋」代表 二村 幸雅さん〜世界に伝える、グローバルに傾く

 

スクリーンショット 2015-12-16 11.42.26「月刊イベントマーケティング」02号インタビュー

歌舞伎企画「雅屋」代表

二村 幸雅さん

炎天下のなか、獅子の衣装とかつらで20kgはあるのに華麗な毛振りと大ジャンプの撮影を終え、クタクタのはずが、戻る道すがらの靖国通り沿いでタクシーを留めるパフォーマンスや駅前で待ち合わせのポーズを決める二村さん。偶然居合わせた外国人旅行者は大喜びでスマホでシャッターを切る。その姿が何とも楽しそう。歌舞伎を名刺代わりにグローバルに活躍している。(撮影=クドウオリジナルフォト/撮影場所=The GEM TOKYO )

 

――どのような経緯で歌舞伎役者を目指されるようになったのでしょうか

二村 じつは最初から歌舞伎ということではなく、世界を目指してたどり着いたのが歌舞伎だったんです。18才のとき、ハリウッドで活躍するショー・コスギさんをみて感化され、役者の道を目指し地元・名古屋の俳優養成所に入りました。

最近ではよく「グローバル」という言葉を耳にするようになりましたが、当時僕の周りにはスタートから「世界で勝負する」と公言する仲間は少なく、めずらしがられました。いざ歌や踊りのレッスンをはじめてみると、ミュージカルの最高峰であるブロードウェイを目指すには、踊り一つとっても、クラシックバレエなど幼少期からのレッスンで培った身体の基礎が必要でした。

「日本人として世界で勝負できるものはなんだろう?」と熟考を重ねていくうちにひらめいたのが、歌舞伎だったのです。

――歌舞伎はたしかに世界に通用するエンターテインメントですよね。でも、役者さんは世襲制ではないのですか 

二村 ミュージカル劇団の次に入ったのが、地元名古屋で人気を博していたロック歌舞伎スーパー一座という劇団でした。現行の歌舞伎を真似るのでなく、もう30年も前から江戸時代に栄えた芝居小屋を再現したり実験演劇的にシェイクスピアを歌舞伎でやったりしていました。座員となり海外公演にも参加し、ドイツに劇団が招聘された際には、歌舞伎スタイルで「リア王」を上演。満員の観客からスタンディングオベージョンを受けました。そのとき鳥肌の立った感覚は今でも鮮明に残っています。

特殊な経験を重ねていくなかで、やはり本格的に歌舞伎を学びたいと、23才で上京し、国立劇場歌舞伎俳優養成所に入ります。歌舞伎には、国の施策として伝統芸能者を絶やさないためにと、こうした世襲でない役者養成ルートもあるんです。2年間みっちり訓練をして基礎を積んだ後、先代市川猿之助一門門下となり「市川段翔」の名で活動して、古典歌舞伎やスーパー歌舞伎に出演しました。ただ、やはり世襲制ゆえ出世は望めず、6年間の厳しい弟子修業を続けた後に辞めています。

――演じ手の視点から歌舞伎の魅力を教えてください 

二村 これまでのさまざまな経験から、僕が歌舞伎の最大の魅力だと感じているのは、やはり何と言っても原点である大衆演劇的な楽しさですね。演者だけでなく観客も一緒に楽しむものなんです。現代では、伝統芸能だからと格式高く、難解と思われがちな歌舞伎ですが、本来はもっと身近にあったもの。

世界に誇る重要無形文化財でありながら、実は面白さ満載のエンタテインメントなんです。今は、この魅力を伝えるのが雅屋にしかできない使命だと感じています。

――雅屋さんの真骨頂とは 

二村 まず、お客さんとの距離が近いことです。たとえば、連獅子などでは獅子の毛に触れると縁起が良いのでと、あえて舞台から降りて演舞します。終演後のスマホ撮影会も大人気です。また歌舞伎での盛り上げやサプライズ演出など、さまざまな宴席の御相談に応じています。

現在は歌舞伎をベースに面白い和のエッセンスのみを集めた雅屋JAPAN-SHOWを展開していますから、歌舞伎を知らない日本のお客さまは勿論、海外ゲストの皆さまには是非おススメですし、必ず喜んで戴けると自負しています。

歌舞伎の原点にこだわり、また僕自身の原点でもありますが、歌舞伎の楽しさを携えて雅屋のチームで世界中に歌舞伎SHOWをお届けできるようにと、イベント(MICE)業界で道を探っているところです。

歌舞伎企画 雅屋 

各種イベント、MICEアトラクション、外国人接待、歌舞伎体験、ワークショップ、歌舞伎指導、学校芸術鑑賞会など、日本全国、海外問わず出張可。

〈問合せ先〉

Tel:03-3919-1825
info@miyabiya.com

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