知って得する!販促活動に使える補助金・助成金【第5回】
- 2015/11/30
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【第5回】
格安で使える展示会の選び方
あなたの会社で販売促進の一環として、展示会に出展して見込み客を獲得することが決定されました。では、どの展示会に出展すればよいでしょうか?
展示会と言っても規模も対象も様々です。かかる費用も比較的高額なものから安価に参加できるものもあります。特に中小企業の方であれば、なるべく低コストで優良な顧客との出会いを多くしたいと考えていることと思います。
今回はなるべく格安で使える展示会をご紹介しながら展示会活用のコツをご紹介します。
■専門テーマ別展示会への出展費用は?
いわゆる東京ビッグサイトや幕張メッセなどで比較的大規模に実施される展示会の場合、どのようなメリットがあり、概算でどの程度の費用が必要でしょうか。
まずメリットとしては、対象となる業種に特化して出展されますので、来場する方もその業種の専門の方が来場します。つまり効果的に自社のターゲットとする企業の担当者と接触できることが挙げられます。同業種が一堂に会しているため競合も多いですが、戦略的に取り組めば大きな成果を上げることができます。
ある展示会(会場:東京ビッグサイト)の場合、来場者数は、数万人を超える数ですが、出展料は1コマで30万円から100万円程度と幅があります。
■地域金融機関(地銀・信金・信組)主催の展示会も数多く開催
地域金融機関が取引先を中心に展示会を通じてビジネスマッチングするイベントも多く行われています。出展に係る費用は、出展費で数万円(無料から5,6万円)のレベルであり、経済的に参加ができます。これらの展示会は、出展者数で100社から300社くらいの規模が多く、来場者も多くても5,000人程度が多いようです。
また、地域金融機関はイベントを行うことが目的ではないので、企業同士のビジネスマッチングにも力を入れています。事前に企業の特徴やニーズを職員がヒアリングし、合致しそうな企業を紹介する等の活動を積極的にしています。高い確度で具体的な商談につながりやすいといえます。大手企業のバイヤーを呼んで、取引先の商談会を企画する金融機関もあります。事前に大手企業のニーズを聞き取り、申し込みのあった中小企業の中からニーズに合致する企業を選定し、当日引き合わせるため、高い確率で商談になります。
■公的機関による展示会の活用
中小企業基盤整備機構は、毎年、中小企業総合展として東京と大阪で展示会を開催しています。開催ごとにテーマが設定され、そのテーマに合致する中小企業の参加を募集します。2014年は、約400社の中小企業が参加し、40,000人以上の来場者がありました。合わせて中小企業基盤整備機構のコーディネーターがマッチングの支援を行います。
東京都や東京商工会議所などが主催する産業交流展が中小企業総合展と同時開催で開催されます。規模的には業界別展示会と同等程度の大規模な展示会でありながら、中小企業総合展も産業交流展も数万円の出展料で参加できます。
都道府県に設置されているよろず支援拠点などの中小企業支援機関において展示会を活用した販売促進についてアドバイスをもらうことが可能です。
■上手な活用のために
展示会を上手に活用するためには、単にコストだけではなく、目的に合致した成果が得られるか、展示会の時期は適切かなどを見極める必要があります。特に展示会の時期が自社の繁忙期と重なってしまうと、準備に十分なリソースを割けなかったり、展示会後の営業活動が不十分であったりということになりかねません。
コストと合目的性、時期などを考慮して、上手に展示会を活用して販促活動を推進してください。また、展示会に出展することが目的ではありません。最終的に売り上げにつながる活動につなげる必要があります。展示会には、必ずしも課題が明確になっているニーズが顕在化している顧客ばかりではありません。課題が明確になっていない潜在顧客である場合も多々あります。このような潜在顧客と関係性を築き、ニーズが顕在化した際には確実に自社から購入してもらえるように、事前に営業部門と行動計画を立てておくことが重要です。
展示会の活用も準備段階が重要です。どの展示会に何を出展し、その後どのように営業活動につなげるかを戦略的に計画立てて実施し、展示会という販促活動を効果的な売上向上に活用してください。
坪田誠治
中小企業診断士 一般社団法人城西コンサルタントグループ(JCG) 事業部 前職キヤノンマーケティングジャパン(株)では、法人向け営業、マーケティングに従事。 法人営業の問題を可視化し、組織営業に転換して営業力をUPするコンサルティングを中心に実施。補助金審査・支援等も幅広く活動中。