イベントの正体を探る #4  [ イベントの効果]イベントの”見える/見えない”効果 ? 東京富士大学 岡星竜美 教授

【第4回】イベントの効果

イベントの”見える/見えない”効果?

日本初!イベントの学科でイベント学を教えている岡星です。イベント学を教えるということは、研究対象である“イベントの正体”を知らなくてはいけません。そこで私は、イベントの正体を6つのフェーズにまとめてみました。今回もテンプレート「岡星式:イベントDO具(どうぐ)」をHPからダウンロードできます。シリーズが終わると、イベントの正体の6つのフェーズが揃いますのでお楽しみに!

後半の第4回目はフェーズ4[イベントの効果]についてです。イベントを実施することによる効果はいろいろありますが、まず経済効果が挙げられることでしょう。

サービス産業界のあらゆる場面で実施されているイベントの市場規模、つまり、イベントでどれほどの経済活動が行われているかについての推計はむずしいのが事実です。イベントは多種・多様・多彩に実施されているため、あらゆる業界からデータを取り寄せなければなりません。

一つの成果として、各種イベントへの来場者消費額をまとめた調査があります。それによると、興行イベントも含めた来場者消費額は、イベント当日で3兆8,374億円、イベント前後も含め15兆1,444億円となっています(一般社団法人日本イベント産業振興協会(2014)『平成25年イベント市場規模推計報告書』)。

この調査のポイントは、イベントはイベントそのものだけでなく、周辺のさまざまな生産活動を活発化させる、本番前後に経済的な波及効果を生む強いインパクトを持っている、というイベントの特性に注目していることです。

イベントが生む経済波及効果には、直接効果と間接効果があります。間接効果にも、一次と二次があります。

経済波及効果の種類

図(イベントの効果・結果)では、左に<客観的な数字>で表せる経済・PRの効果を、右に<主観的な思考>で得られる心理・チャンス創出の効果を描いてみました。今までイベントの効果を問われれば、すぐに経済効果!となるきらいがありましたが、こんなにも多彩な効果があることを見逃さないようにしたいものです。

[イベントの効果]を”目に見える/見えない”で分類しまとめたものとして、理解していただければと思います。

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