2月18日、青山ダイヤモンドホール で「CNET Japan Live 2016 Target 2020 ~テクノロジーがもたらすパラダイムシフト~」が開催された。
CNET Japan Liveは、テクノロジーやオンラインビジネスに携わる人のビジネスアイデアやヒントになる情報、ニュースを提供するオンラインメディアCNET Japanをオフラインで体験できるイベント。基調講演を含むセッション、展示、ミニセッションで構成され、約500人が参加した。
基調講演では、株式会社三越伊勢丹ホールディングスの北川竜也氏による『これからの百貨店の価値創造 ~三越伊勢丹の挑戦~』からスタート。北川氏は、「インターネット前のマーケティングの最小単位は1個人だったが、インターネット後は1個人でも趣味嗜好によっても切り分けられ、ペルソナが変わった」とし、昨年から取り組んでいるデジタルマーケティング戦略について紹介した。その一つが、デジタルとファッションが融合するあたらしいライフスタイルを提案した「彩り祭」(今年は「花々祭」として3月1日まで開催)。好みのアルゴリズムを分析し、三越伊勢丹のもつバイヤーや編集者、スタイリストなどのアルゴリズムと人工知能で組み合わせた提案に挑戦している。北川氏は「さまざまなデジタル戦略では、マスではなく個々のインターフェースにリーチしマニアックな情報やきめ細かなおもてなしを実現できるが、本質に至るのはアナログ。アナログで長くかかりすぎる部分を顧客管理などデジタルで統合するが、それは裏側の話で、豊かなアナログ体験をしてほしい」と締めくくった。
また、もうひとつの基調講演には、株式会社ナイアンティック代表取締役社長の村井説人氏が『Ingressのビジネス戦略–仮想現実プラットフォームが描く未来』を話した。村井氏は、ナイアンティック入社前、Googleで「Google マップ」のパートナーシップ日本統括部長を務めた人物。最近あまり表舞台に出ることの少ない村井氏の貴重な講演では、位置情報に基づいた多人数参加型モバイルオンラインゲームIngressを活用したパートナーシップモデルを軸に話を展開。オンラインゲームでありながら、フィジカルさを担保するIngressは女性のダイエットなどのヘルス活用、高齢者と若者のコミュニケーションツールとしてさまざまな業種とのコラボレーションが生まれていることを紹介した。村井氏はインターネットから20年が経ち、便利さの次に来るものを探求、Ingressが「文明を進化させたい」として開発された背景にも触れ、高い視座での今後の展望を語った。
「CNET Japan Live 2016」では、先端テクノロジーを体験できる展示も展開した。
<体験展示>
◯tobii
アイトラッキングがモノづくりの現場を変えるとして、ウェアラブルアイトラッキングシステムを搭載する「tobiipro/glasses2」を展示。実際に装備し、モニターでは視線部分に円マークが表示されるデモを展開した
◯ケイズデザインラボ
ケイズデザインラボは、3Dプリントに必要なスキャニングシステムと3D編集のためのペン型触感デバイスを展示し、デモ体験を提供した
▽マルチプルハンデ
▽ボクセルモデリングソリューション「Geomagic Sculpt」を体験
◯Cerevo
家電スタートアップのCerevoがアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」に登場する武器を精巧に再現したスマート玩具、『DOMINATOR』を展示。2016年3月に発売、予約受付をイベント当日の2月18日に開始することを受け、ブースでも展示された
https://dominator.cerevo.com/ja/