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−ドローンとIoT が人の命を救う− Innovator #08
- 2016/4/25
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(一社)EDAC 代表理事 小澤 貴裕さん (写真:前列中央)
−ドローンとIoT が人の命を救う−
各方面で話題となっている無人機「ドローン」。遠隔操作や自動操縦によって飛行できるという有用性を活かし、「ドローンが命を救う」をキャッチフレーズとして、2015 年9 月9日、医療現場でドローンを活用する「Project Hecatoncheir(プロジェクト・ヘカトンケイル)」がスタート。2016 年には一般社団法人EDAC(救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会)として組織化し、本格始動した。
メンバーには、いち早くドローンの医療導入に取組んでいた救急救命士であり専門学校教員の小澤貴裕代表/クラウド・ネットワーク基盤担当には東京大学発ベンチャー(株)リアルグローブ代表・大畑貴弘氏/行政アドバイザーに救急現場へのiPad導入で搬送時間短縮に成功した佐賀県庁職員の円城寺雄介氏/救命用ドローン機体開発担当にクリエイター岡田竹弘氏/生体医療用工学アドバイザーに元専門学校教員の沼田慎吉氏/広報・ドローン導入アドバイザーにドローン情報サイト「DRATION」の運営をする稲田悠樹氏が参画。救急医療、ICT、行政、機体という異分野のプロフェッショナルが集結し、2 年以内の実用化を目指す。
119 番通報から救急車が現場に着くまでの時間は約8 分半。小澤代表は「救急車が到着するまでに心肺蘇生やAED での一次救命処置が行われていたら…と思う場面が何度もあった」と、救急救命士時代を振り返る。何らかの方法で救急隊到着までに事故や火災の現場を把握したり、AED や薬剤を届けることで救える命は増える。そう考え、空からのアプローチが可能なドローンの有用性を感じていた。要はドローンによる救急・災害医療現場の「迅速な状況把握」と「医療器材や薬剤の搬送」だ。事故以外にも、大規模災害で人が立ち入れない現場やアプローチが難しい山間部地域など、様々なシーンでの活用が想定される。
目指すところは、ドローンの活用に留まらない。「ミッションはあくまで人命救助。空からアクセスできるドローンはその1ツールであり、早く・正確に救助を待つ人のもとへ到着できるのなら、陸からのアプローチでもいい。そのため、IoT やウエアラブル、クラウドといったハイテクをフル活用したICT システムを構築し、医療や防災にフィードバックすることが急務。消防はもちろん、行政や企業など様々な部門との連動も欠かせない」。
一般社団法人EDAC では2016 年4 月20 日(水)~22 日(金)に東京ビッグサイトで開催される医療機器の設計・製造に関するアジア最大の展示会「MEDTEC Japan2016」に出展。プロジェクト概要発表やドローン実機の公開に加え、小澤代表の講演なども予定している。参加企業も募集開始し、消防職員等の参加は無料。
詳細についてはHP (http://www.edac.jp/)まで