フィンランド発の国際的スタートアップイベントのSlush Asiaが、2016年5月13日からスタート。14日まで、幕張メッセで開催される。
Slushは2008年からフィンランドで開催されており、2014年は世界中から起業家、学生、投資家が14000人以上集まったイベント。フィンランド首相、中国副主席、エストニア大統領、スウェーデン王子等、各国の首脳陣なども参加している。
日本では「SlushAsia」として昨年4月に東京のお台場で初開催され、約3000人が集まった。 Slush Asiaの見どころは、豪華なスピーカー陣、キーノートステージで豪華登壇者によるスピーチ、ピッチングステージにて行われるスタートアップ60社が賞金を競い合うピッチコンテストや、製品を手にとって見ることができるデモエリア、スタートアップと投資家の出会いを演出するミーティングルームなどマッチング機会の充実。また、Slush が目指す、「誰でも挑戦できる環境、世界を本気で変える環境を創る」(月刊イベントマーケティング08号特集参照)というムーブメントに触れられること。
今年は、学生ボランティア主体で企画・運営され、豪華スピーカー陣への出演交渉やスポンサー集め、出展募集、集客から運営オペレーションまでを実施。約400人強のチームワークにも注目だ。
Slush AsiaのCEOアンティ・ソンニネン氏は、スタートアップイベントでムーブメントをつくるのに必要なことについて、「意味のあることを楽しくやること、そこからムーブメントははじまる」と話す。学生ボランティアに対しても、ただ感情的に楽しいだけでも盛り上がりをつくることはできるが、自ら納得して、意味を見出せるようトップダウンのリーダーシップはとらなかったそうだ。
「たとえば、ビジネスマッチングの集客は目標というミッションを与えただけで『やり方も好きにやっていい。困ったときには相談にのるよ』と伝え、スピーカーとの交渉も必要な部分には力を貸して、ほとんどを任せた」(アンティ氏)
昨年のプロチームとは異なり、学生チームははじめはスキルがゼロでも、パッションをもって実施していくなかで短期間で大きく成長した、とアンティ氏。会場でSlush AsiaのチームTシャツを着て運営する学生たちは、指示を待つのではなく、主体的に、そして楽しそうにSlush Asiaに参加していた。
初日13日のオープニングセッションには、ソフトバンクグループのニケシュ・アローラ副社長やアリババグループのJian Wang (王堅)CTO、DeNAの南場智子代表取締役会長、グロービス経営大学院の堀義人学長、お笑い芸人で東京証券取引所マザーズ市場にも上場しているテラスカイの厚切りジェイソンことジェイソン ダニエルソン氏らが登壇。14日は、ピッチコンテストのファイナリストが決定する。
アンティ氏は「Slush Asiaをアジアと日本のスタートアップをつなぐ革命的なものにしたい。イベント後に何を起こせるのかが大事で、アクションにどうつながったのか、それが実績にもなる。イベントはゴールでなく、スタート」と今後、さらなる規模拡大に向けて意欲を語った。
投資家やスタートアップ企業はもちろん、ビジネスイベントを実施している担当者にとっても演出や運営に新しい発見の多いSlush Asia。ムーブメントのつくりかたを体感してみてはどうだろうか。
#SlushAsia16
▽Slush Asia 2016
http://asia.slush.org