[リリース×動画]伝わるスピードが違う
- 2016/5/19
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スマホ動画は、Facebookがライブ動画機能をリリースしたり、Instagramが動画の撮影・再生時間を拡大したり、スマホジャックとして話題になった新人アイドルPV(タテ型!)が一晩で5万再生を記録したりするわけで、スマホでの動画視聴自体、ユーザーにとっては、もはや毎日の歯ミガキレベルに習慣化してきた。
動画活用はもちろん企業PRの世界でも。ネットPRのパイオニア企業ニューズ・ツー・ユーはネットメディアへのニュースリリース配信を手がけて15年になる。同社の朝火英樹さんは「企業のニュースリリースは、テキスト中心だったものから、最近では写真が必須となりビジュアル重視になって、大手企業になると動画の活用も定着し始めていてWebサイトのURLとともに、YouTubeアカウントの動画URLが記載されるようになってきました」と話す。
こうした状況を背景に、同社では動画編集アプリと協力して「動画リリースサービス(仮称)」を今年2月2日から期間限定のトライアルとして実施(トライアル期間は終了)。動画制作とニュースリリース配信をセットにしたもので、1件あたり3.8万円で提供したところ、すぐに多くの企業から引き合いがあった。
「動画制作にはコストとスキルの課題がありますが、『動画リリースサービス』トライアルは、一般的な動画コンテンツの制作コストと比較しておよそ10分の1に、撮影もあらかじめ用意されたテンプレートの絵コンテに沿って40秒で8シーンというガイダンスがあることでスキル面もクリアしました」(朝火さん)
女性下着メーカーのワコールでは、3月に表参道で開催したワコール新作ブラジャー体験イベントの告知に、動画リリースを採用。「テキストと写真だけでは伝えきれない会場の『空気感』や、イベント担当者の『表情・声』がわかることで、よりリアルなイベントイメージが伝わった」と動画のメリットを挙げたほか、会場施工後すぐのリリースを実施できた納品スピード(撮影後翌日渡し)も評価する。お菓子屋さんのような店舗の様子がわかる動画をみて来たという参加者もあり、動画リリースの集客効果もあった。
朝火さんは「これまで、webに掲載するリリースはSEO効果を期待されたものがほとんどでした。ですが、この1年はソーシャルメディア経由での流入へと変わってきています」とリリース掲載先とそのリリースに触れるターゲット層の生活スタイルの変化を意識して、ネットPRやリリースのあり方も相性のよいものへ変わっていくべきという。
トライアルでの反響を受け、ニューズ・ツー・ユーでは5月以降に動画リリースサービスを開始する予定だ。
従来と変わらない手法で集客をしているイベント主催者や出展担当者などは、リリースから見直すことで新しいチャネルが開けるかもしれない。
(月刊イベントマーケティング10号「特集:集客と成約に効くコンボ」より)