愛知県の大村秀章知事は、6月10日、名古屋市と東京都の二カ所で、中部国際空港島(常滑市)で2019年9月の開業を目指す国際展示場について展示会関係者向け説明会を行い、事前予約を今年9月から受け付けることを明らかにした。
事前予約の対象期間は、20年の東京オリンピック・パラリンピックで東京ビッグサイトなど首都圏の大型展示場が使用しにくくなる期間を含む、20年11月まで。代替需要の取り込みを狙い、運営者の募集と並行し、事前予約は県の専門部署が先行して受け付ける。
説明会では「モノづくり愛知の新たな創出へ」と題し、大村知事が展示場の意義や概要をイメージパースやアクセスマップとともに紹介。近隣にはボーイング 787型機を屋内展示する複合商業施設の建設や新設ホテルを含め3035室を用意する。また、近隣懸念材料とされている空港島の災害対策に関しても言及し、アクセス道路が強風で通行止めになった例は05年の開港以来4回だけで、津波や高潮で浸水する可能性も低いとして、「問題ない」と強調した。
大村知事は、「手ごろな使用料と使い勝手の良さで期待に応え、日本全体の産業振興に貢献したい。愛知には産業、文化とさまざまな引力がある。展示場でさらに盛り上げたい」と、東京、大阪の展示場より安価な料金設定とする考えを示し、展示会関係者へ新展示場の活用をPRした。
名古屋会場には132社・団体244名、東京会場には100社・団体227名の展示会主催者、支援企業、経済団体、官公庁が参加した。
展示場は、空港に隣接する県企業庁所有地に建設。展示面積は1ホール1万平米の6ホールの計6万平米。30平米から800平米までの会議室も併設する。
県は整備費349億4000万円の補正予算案を16日からはじまる県議会6月定例会に提出し、8月にも建設・工事の入札を開始、同時に運営者についても募集を開始するなど、2019年9月の完成に向け急ピッチで進行する。