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特集 展示会出展の新ルール、商談席あり派、なし派? #1 まずは腰を落ち着けて 仕事の話しをしよう リードエグジビションジャパン 販促ワールド 事務局長 松本 晃さん
特集 展示会出展の新ルール、商談席あり派、なし派?
まずは腰を落ち着けて
仕事の話しをしよう
3m×3m、あるいは3m×6mがいわゆる展示会の出展でいう1ブースだが、このスペースに展示台や展示パネルで製品やサービスをならべ、説明員は1日中立って応対するというスタイルから、腰を据えて商談するスタイルへと展示会の場に変化が起きているようだ。
お祭りからビジネスの場に
年間142本の展示会を主催する大手展示会主催企業のリードエグジビションジャパン(以下リード)では、各ブースに商談席を用意するように出展企業に推奨している。同社主催の販促ワールドの事務局長をつとめる松本晃さんは「新製品をたくさん集めてPRして盛り上げるというところから、一歩進んで展示会の価値を高めるには、出展者が売上を伸ばし来場者が良い製品が導入できるという、WinWinの関係になる商談の場であることが重要。展示会をお祭りからビジネスの場に変えてきたのは商談席」とその重要性を語る。
リードが来場者に実施している行っている来場者アンケートでも出展者に対する商談席設置の要望は常に上位にあり、出展者説明会でも具体的な成果をあげて推奨した結果、2008年の販促ワールドでは40%に過ぎなかった商談席を構えた出展者が、昨年には約75%に増加。展示会の規模拡大とともにその比率も向上している。
1ステージ先からはじめよう
商談席があるブースとない場合では、どのように成果に関わってくるのだろうか。
会期中に商談を行うことのメリットは、多くの業界人が一堂に介し熱気あふれる場で商談できること、自社製品を手にしながらプレゼンできること、上長も会場にいるため懸案事項も即時解決できる、といった成約への条件が整っている。海外では展示会場で商談する文化が浸透しており、新製品がなくても出展企業は必ず出展する。「新製品を出品していない会社はあっても、既存商品のセールスをしない企業はありませんよね」と松本さん。
会期中に成約せずに事後のフォローが必要な案件でも、会場で商談をしておくことで、その先のステップが有利なポジションからはじめられるのもメリットだ。会期中に名刺交換やパネルで製品説明をした数百人という人を覚えているだろうか。来場者も同じで短時間で多くのブースを回った一人ひとりを覚えていることはまずない。お互いに覚えていない相手となると、アポイントをとれるかどうか、というところから始まり、これでは出展効果が高いとはいえない。
しかし、「5分でも座って話せば、忘れる人はまずいない」(松本さん)。同じ時間でも立ち話では相手の印象に残らない。パネル説明では相手の目を見て話すことは少ないが、座って正対すれば相手の顔も見るし、世間話の1つもするだろう。展示会では商品も見るが、それをつくっている人も見られていることも忘れてはいけない。
真剣に商談する姿が集客に効く
出展効果をあげるために必要な商談の質が、商談席を用意することで向上することはわかった。もうひとつ重要な商談の数。つまりブース集客に、商談席が多いブースは不利ではないのか。
コンパニオンが景品をもって声掛けしたり、キャッチーな装飾を行うなどブースへの集客の手法はさまざまあるが、とくにBtoBの展示会では商談席をおくことも集客の手段になるという。
「他の来場者が熱心に商談している姿がみえることで、出展企業が信頼できるサービスを提供していることや、すでに有望な顧客や見込み客を抱えていることがわかります。『そうした企業ならばウチも導入を検討したい』という心理がはたらくのではないでしょうか」と松本さんは話す。客が客を呼ぶということだ。
事前アポと当日集客のバランス
商談席がポツンと置かれたブースは、まだ検討段階のバイヤーにとっては敷居が高い。松本さんは出展者に複数の商談席を用意することを勧めている。しかしただ多くの商談席を置けばいいのではなく、賑わい感がないと前項のように客が客を呼ぶことにはならない。たとえばいくつかあると気軽に座れる。5つの商談席のうち2席空いているというような感じが良さそうだ。
そこで出展企業の多くが、事前に既存顧客や現在アタックしている見込み顧客にアポイントをとり会場に呼んでいる。顧客にとっても他の関連製品の情報収集などもできるため通常のアポ取りよりもハードルが低い。
事前アポをとる比率は「全席の半分がいいのか1/3がいいのか、定数というものはない」(松本さん)。朝は来場者が少なく午後は多いといった時間条件を考慮したり、自社の営業が新規開拓と既存見込みのどちらを重視する状況なのかといったことを考えて、商談席を設けるならば、事前アポイントと当日集客のバランスをうまくとっていくことが必要だ。
リードエグジビションジャパン
販促ワールド 事務局長
松本 晃さん