「BACKSTAGE」を終えて、イベンターとイベントについて考えたこと

8月30日、イベンターの、イベンターによる、イベンターのための夏フェス「BACKSTAGE」を共催した。

 

二夜明け、主催者として、イベントのはじまりから終わりまでまるっと体験した初心者イベンターの直感的・個人的感想をまとめると、「憧れの職業にイベンターはなるべき」と思う。(編集者が上位で位置しているけれど、イベンターはある意味、時代の編集者だ)

 

もちろん、BACKSTAGEの開催にあたって、イベンターを表現する言葉を探していたときにも、イベンターは憧れの職業上位にあるべき、なぜ入っていないのかとブツブツ言っていた。今回、BACKSTAGEの実行委員会の一員として、数ヶ月にわたって、毎週イベントのプロと過ごし、アイデアやメッセージというカタチのないものを、空間と時間の体験という実感をもつ有形のものに仕上げ、そのあともそのメッセージがエネルギーとなって人と人とをつなげ(終了直後から交流や新体験へのお礼メッセージが絶え間なく届いている)、無形の価値に還元する一連のうねりを経験した。こんな風に間近にイベンターの力を実感したことで、BACKSTAGEでもがっつりスポットライトを浴びていただいたけれど、イベンターはもっとたくさん、常にスポットライトを浴びるべき存在だと改めて思う。

 

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ソーシャルの声が囁きのころから耳をすませ具現化するひと、

いちばんはじめに面白しろがるひと、

第一発見者、走りながら考えるひと、ニーズを空間に立ち上げるひと、

ビジネスマッチングメーカー、新しい業界地図を描くひと、

リサーチャーでありエンターテイナー、仲間をみつけるのに長けているひと、

助けてあげたいと思われるひと、

ムーブメントを起こすひと、Experience Marketing(体験価値)の仕掛け人。

BACKSTAGE webサイトより)

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そして、ごくごく当たり前のことだけれど、みるとやるのは大違いということ。これまでメディアとしてイベントを取材する参加者ではあったけれど、いざ、イベントを体を張ってやってみると、たとえば、交渉力、提案力、情報伝達経路の把握や巻き込み力、など、考えて動く瞬発力が桁外れに高く、決断も早いため、誰よりも早く実行する力につながっていることに気づかされた。正直に言うと、私などは社会人スキルとしても、人間力としてのバランス感覚も、欠けていることが露呈して毎日落ち込んでいた。と同時に、難なくこなしているイベンターに全力で敬意を払うことができた。

 

さて、「憧れの職業にイベンターはなるべき」を実現するには、必要なこともある。

 

・イベンターと言われて振り向くくらい、自覚的(戦略的)イベンターをふやすこと

 

・各業界、あるいはエリアごとに存在するイベント担当者のなかでも、ファーストムーバーをみつけること

 

・若きカリスマイベンターがいること

 

・業界、年功序列/経験値を超えて集合知にして共有すること。

 

BACKSTAGEの舞台に立った28人は、まさにそんな代表だと言える。

 

そして、その28人から学んだことは、新しいイベント、体験価値をふやすためには、自分も新しいチャレンジの渦中にいることだ。次へ進むという意味では、サプライズ発言もあったり、面白い偶然がイベント開催直後に重なったり、BACKSTAGEは同日の朝に台風が去ったあとも、台風の目のようだった。

 

BACKSTAGE後に、新しいイベントを生むためのヒントを挙げると…。

 

・マニアに響いていながら、業界に閉じないこと

 

・マネタイズの仕組み、スポンサーとイベントの関係性をわかりやすくしてどちらの参入もふやすこと

 

・(イベントというリアルな場でこそ感じたという意味であえてピックアップすると)、音と光の効果による臨場感や集中する空間のつくりかたをパターン分析すること

など、スタイルへの取り組みも、もっと貪欲に知りたいと思う。

 

イベントは身近になったけれど、まだまだ知らない掟や用語や様式、マネジメント方法も多く、情報が不足している。「慣れだよ、慣れ」とも言うけれど、もう少し丁寧に、しっかりと知る必要はある。

 

今回、BACKSTAGEの個人的な反省点は多く、反省部屋に入れられたら1日では帰ってこれないくらいだけど、その部屋にもし、私と同じような経験者が入ってきたら、共通の思いでたちまち仲良くなるんじゃないかと思う。そんな場所もつくりたい。

 

イベントが身近になって、誰もがイベンターになる可能性があって、そのぶん顕在化してきたとも言える情報不足や仲間探しを月刊イベントマーケティングでは、続けていく。

 

そして、なぜイベンターが憧れの職業になるべきか、色々と書いたけれど、イベンターは、常に半歩先の未来をつくっている職業だから。ほんの少し先に起こる事象を予知して誰よりも先回りして動くことを繰り返しているのがイベンターだ。

(BACKSTAGE実行委員会/月刊イベントマーケティング編集長樋口陽子)

#BACKSTAGE16

*カンファレンスや展示については、月刊イベントマーケティング紙面、webサイトにて

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