[No Mapsレポート]2045年:人工知能の旅
- 2016/12/19
- リポート
10月10日から始まったNo Maps。チカホ空間にはブースが開設され、地上では市内観光用人力車にロゴがプリントされるなど、街はNo Maps 一色に染まっています。さらに専用アプリによる「No Maps GO!」が登場。位置情報やアクセス時間をもとに、近くで開催されているプログラムを伝えたり、街中に設置したビーコンからプッシュ通知を受信して、最新の情報を得ることができる。
No Maps は10月16日(日)に、「2045年:人工知能の旅」と題し、有識者による基調講演およびパネルディスカッションをわくわくホリデーホール開催。人工知能の現状や方向性、生活へのかかわり、ビジネスに結び付けるための方策などが発表された。世の中を便利に変えるテクノロジーは、どのように生まれるのか。それを聞ける貴重な機会である。
北海道において人工知能をビジネスに結び付けるためには
松原 仁氏 (公立はこだて未来大学 教授)がモデレーターを務め、伊藤 博之氏 (クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 代表取締役)、岡田 陽介氏 (株式会社ABEJA 代表取締役社長 CEO)、川村 秀憲氏 (北海道大学 教授)、山川 宏氏 (株式会社ドワンゴ ドワンゴ人工知能研究所/NPO法人 全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)、米倉 千貴氏 (株式会社オルツ 代表取締役)がパネラーを務め、自社の取り組みや大学での研究を発表、人工知能をビジネスに結び付けるためのセッションが交わされた。
松原 仁氏は、「農業、酪農、水産、観光、北海道の基幹産業はまだアナログな部分が多く、人工知能が活用できる余地が多いという。例えば搾乳するためには出産をさせる必要があるが、数多くの牛の中から人工授精のタイミングを見分けるのは難しい。もし人工知能によって飼育している牛のデータを管理でき、それがモバイルで場所を選ばずに確認できたのなら、効率的に搾乳できるだけでなく、病気にも早く対応できる」と力説。
最後に「他を追従するのではなく独自のビジネスモデルで、新しい可能性にチャレンジしていければいいと思う」と結び、大きな拍手に包まれてディスカッションが終了した。
人工知能ビジネスの展望
パネルディスカッション終了後、人工知能ビジネスの展望についてNo Maps実行委員長の伊藤 博之氏にコメント。
「今日のコンベンションには農業、行政関係者も多数出席いただき、AIの活用について理解いただけたと思う。今後は「AIって必要だよね」という機運が高まり、現在計画している企業や行政は、スタートしやすくなるのではないか。来年もAIについてコンベンションを行うと思うが、話を聞くだけでなく、音楽やカンファレンスなどに積極的に参加して、アイデアをぶつけ、実践できる人を北海道から増やしていきたいですね」
取材・執筆・撮影:(有)マーヴェリック