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【第6回】お礼メールは必要か?? B to B マーケター庭山一郎から見た 展示会エトセトラ
- 2017/1/29
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展示会に出展する企業が当たり前のように行っていることを「見直してください」と提案することがあります。
例えば当社のクライアントはほとんどアンケートをとりません。理由は簡単で人はアンケートが嫌いだからです。展示会場でアンケート用紙を見せただけでさっと逃げられる経験をした人は多いと思います。嫌いなものをとろうとするから数が少なくなります。もしアンケートをとらなければ名刺は20 倍も30 倍も収集できたはずです。
しかも、そんなに苦労して収集したアンケートを営業や販売代理店は大して重視しません。彼らは気分で左右されるアンケート項目よりも、名刺に記載してある「どんな企業なのか?」「どんな部署なのか?」「どのクラスの役職なのか?」という情報の方が重要なのを知っているのです。
さらに私は当社のクライアントに、展示会後の「お礼メールを出すのを止めましょう」と提案しています。
私は、長年にわたって顧客データとそこに飛び交う情報のトラフィックを見てきました。大規模な展示会が開催されたおよそ1 週間後から10 日後に、この「お礼メール配信ラッシュ」が始まります。出展企業が来場者に一斉にお礼メールの配信を始めるのです。多い時は2 週間で数百万通のお礼メールが配信されます。それはまるでサンゴ礁の産卵のようです。そして、これが大量の「配信拒否」を生み出すのです。
多くの出展企業が来場者に対して一斉にお礼メールの配信を始めた結果、来場者のメールアドレスに山のようなお礼メールが届くことになり、うんざりした人はどんどん配信拒否をします。今の日本の法律では「配信拒否」をされた人にはもうメールを送ることは出来ません。セミナー案内も新製品情報も、サポート情報すら送れないので、捨てるしかなくなってしまいます。
そんなリスクを抱えたお礼メールですが、実は必要性もメリットもほとんどありません。
私は「せっかくブースに立ち寄ってあげたのに、なんて礼儀知らずな会社だ!」と怒っている人を見たことがありません。
そして前回説明したように、もしその会社がCPL(Cost Per Lead)10,000 円/ @ で名刺を1000 枚収集したとして、お礼メールに対して20% の配信拒否がくれば、その瞬間200 万円をゴミ箱に捨てたことになるのです。
多くの企業では「お礼メール」は「展示会出展の一区切り」という程度の意味しかありませんが、そんな軽い気持ちで不用意に配信した結果、実は数百万円の損失を招いているかもしれません。