バーチャルと融合し空間価値を向上 にぎわい空間研究所 【特集:体験をカタチにする空間づくり】
- 2017/3/12
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展示会・イベント・商業施設の企画・空間設計を手がけるフジヤは、リアル空間ならではの“楽しさ・興奮・あたたかさ・親しみやすさ”の価値と“にぎわい”を生むしかけを探求する「にぎわい空間研究所」を立ち上げ、昨年4月から本格的に活動を開始した。
2月14日には「にぎわい空間創出FORUM2017」を開催。「リアル空間ならではの新価値創造に挑む、ファーストペンギンにスポットをあてた」と所長の中郡伸一さんが語るように、展示ホールではVR技術、デジタルサイネージ、最新映像装置など、新たなリアル空間を構成するテクノロジーが多数展示された。
基調講演では池澤守さんが、フィジカルな体験価値、体感・五感・臨場感、ナマの共感、連帯感、自己表現型の話題性など、抜きん出た体験価値が求められており、リアルとバーチャルを融合したリバーチャル空間産業の創造を提唱した。
パネルディスカッションには、池澤さんに加えて、研究レポートの取材対象者のなかから、3人が登壇。
リアルとバーチャルを融合した「なぞともCafe新宿店」を手がけたナムコの浦田健一さんは、収容人数や回転数、客単価などの限界がある施設事業だけでなく、拡張性が高いバーチャル市場も取り込んだ事業展開を提言。ウェブサイトやSNSとリアル店舗への集客が連携し、継続的な集客を行う手法を説明。アプリから指令があった場所に実際に行き、謎解きをしながらドラマを楽しむという、現実と仮想が交錯する「ロケなぞ」の事例も紹介。
妖怪ウオッチのオフィシャルショップで2.5次元を活用しファンが共感するショップづくりを行ったBIGFACEの水野英明さんは、世界観を店舗でどう再現するかリアルの力を重要視していることを強調。名古屋の新店舗で白い壁に映像で色付けし、短期間でリニューアルを繰り返し、で常に鮮度を保つことに挑戦したいとの考えを語った。
SNSを活用し話題を呼ぶイベントづくりで肉フェスなどの集客を行ったAATJの泉谷正達さんは、入口のそばが会場全体を見渡せるフォトスポットになるようなレイアウトや、ビジュアルを意識した店舗集めや雰囲気づくりなど、参加者の発信を促すフォトジェニックな場づくりの重要性を語った。
リアルとバーチャルを融合した第三の空間が、ディスプレイ企業の新たな活動の場となりそうだ。