第10回「フェスティバル/トーキョー17」開催

フェスティバル/トーキョー実行委員会(名誉実行委員長:高野之夫 豊島区長、実行委員長:福地茂雄)は、フェスティバル/トーキョー17の開催決定と参加アーティストなどの第一弾ラインアップを発表した。10回目の開催となるフェスティバル/トーキョー(以下F/T)は、同時代の舞台作品の魅力を多角的に紹介し、舞台芸術の新たな可能性を追求する国内最大級の国際舞台芸術イベント。2017年9月30日(土)~11月19日(日)までの51日間、国内外のアーティストが結集。F/Tでしか出会えない国際共同製作プログラムをはじめ、まちなかで舞台芸術を鑑賞できる作品、若手アーティストと協働する事業、市民参加型イベントなど、多彩なプロジェクトを展開する。F/T14から開始した「アジアシリーズ」では、今年、日中国交正常化45周年を迎える中国を特集し、政治や経済だけではなく国際的なアートシーンで存在感を増す中国の若手「ミレニアル世代」から、現代の舞台芸術の姿を探る。

【開催概要】  
名 称: フェスティバル/トーキョー17   Festival/Tokyo 2017
会 期: 平成29年(2017年)9月30日(土)~11月19日(日)(予定)51日間
会 場: 東京芸術劇場、あうるすぽっと、PARADISE AIRほか
※フェスティバル/トーキョー17は東京芸術祭 2017の一環として開催

【参加アーティスト&カンパニー紹介】
●ピチェ・クランチェン [ダンス][タイ][日本]
F/T17のオープニングは、タイの振付家・ダンサーであるピチェ・クランチェンが、日本人アーティストと共に池袋の街を彩る参加型・野外プログラム。東京での滞在リサーチを経て、生きた“トーキョー”の姿を浮かび上がらせる。オーディションで選出された日本人ダンサーと、一般から募る出演者のみならず、予約不要・無料で誰もがその場で作品に参加することが可能。F/Tが、都市における新しい祭りのかたちを提案する。
●柴 幸男 [演劇] [日本][台湾]
劇団「ままごと」を主宰する柴幸男が、価値観の異なる他者や未経験の出来事とどのように折り合いをつけていくのか、「距離」をテーマに新作を創作する。どれだけ通信や交通手段が発展しようと、自分から遠く離れた場所で起こる事件や災害には無関心でいることができ、一方で近くにいるあの人と分かり合うこともない。自分と他者の間にある距離を東京芸術劇場のシアターイースト・シアターウエストという隣り合った空間を使い、同時刻にバージョンの異なる作品で表現する。本作はF/Tと2019年開館予定の台北パフォーミングアーツセンターとの共同製作で2018年には台北演劇祭で上演する予定となっている。
●マームとジプシー [演劇] [日本]
映像、音楽、ファッションなど様々なジャンルを独自のスタイルで融合し、新たな視点で演劇に取り組むマームとジプシー/演出・藤田貴大。演劇ファンの枠を越え幅広い層から注目されている藤田の新たな魅力を探る。松戸駅前にあるかつてラブホテルだった施設をアーティストインレジデンスとして運営するPARADISE AIRや松戸市と連携してまちなかで作品を上演する。
●マレビトの会 [演劇] [日本]
劇作家、松田正隆が代表を務めるマレビトの会がF/Tと共同で進める長期プロジェクトの二年目。昨年度に引き続き、複数人の作者が福島へ取材に向かい、その経験をもとに複数の戯曲を執筆。その戯曲群をシンプルな空間で上演し、福島の現在の時間を舞台上に立ち上げることを試みる。前年度は福島市に限定されていた取材の範囲、つまり戯曲の舞台を今年度は福島県全域に広げる。描かれる「福島」の時間はより多面的に私達の前に現れては消えていく。
●アジアシリーズ vol.4中国特集 [パフォーマンス] [演劇] [音楽] [中国]
2014年から毎年1カ国を特集している「アジアシリーズ」。4回目となるF/T17では、1978年の改革開放以降に生まれたネット世代にフォーカスをあてた中国特集『チャイナ・ニューパワー ー中国ミレニアル世代ー 』を開催する。欧米への留学、国際的なアーティストとのコラボレーション、ジャンル横断など、様々な経験をもとに、独自の表現をさぐる若手アーティストを紹介。また、アート、ファッション、音楽、若者文化、それぞれの分野のスペシャリストをゲストにシンポジウムも開催。サブカルチャー、オンライン生配信、ストリートファッションなど、独自の文化を生み出している中国ミレニアル世代の「今」を東京に届ける。
●まちなかパフォーマンスシリーズ [演劇][パフォーマンス][美術][日本]
まちなかの様々な場所で、演劇、美術、パフォーマンスなどの演目を実施するシリーズの2回目。場所が持つ固有の歴史やそこから生まれた物語、さらには現在の東京に流れる時間が持つ雰囲気を舞台に取り入れながら、まちなかでしか成立しない作品を作り出すF/Tの新しい試みである。観客が劇場へ赴くのではなく、まちの中へ入っていく仕組みを、既存の演劇の枠を超える複数のアーティストと創造する。
●実験と対話の劇場  [演劇] [日本]
若手アーティストによる上演を中心に「これからの演劇を問う場」をつくりだす。共に本プロジェクトに取り組むのは立教大学映像身体学科で教鞭をとり、若手の創作の場に多く立ち会ってきた松田正隆。彼の掲げる「出来事の演劇」を、これからの演劇を問う上でのひとつの物差しとして定め、上演とそれに対する議論を行なう。批評家やアーティストなど多様なゲストを迎え、様々な視点からこの場やF/Tにとどまらない議論が生まれることを期待する。
●F/Tキャンパス [学生向け合宿ワークショップ]
文化政策や芸術・演劇に関心をもつ学生が、共に学び、交流する合宿ワークショップ「F/Tキャンパス」。全国各地から集った仲間と共に未来を切り開いていく試みとして企画され、公募で選出された参加者が対話しながら濃密な4日間を過ごす。振付家・演出家の白神    ももこなど第一線で活躍する専門家を講師に迎える「選択ゼミ」、主催演目の「観劇」のほか、参加アーティストとの「トーク」も実施。社会と向き合うことによって葛藤する学生の未来の芽を育むことを目指している。

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