「Lovely にゃんフェスタ in 東京」が 2024年2月24・25日の2日間、池袋サンシャインシティ展示ホールB(東京都豊島区)で開催された。主催は全国展開するオールペット総合会社のラブリー・ペット商事株式会社。
東京での開催は初となった「Lovely にゃんフェスタ」には、多くのねこ好きな来場者が参加し、猫用品の展示によるメーカーへの直接質問や買い物、専門家によるセミナー聴講、猫とのふれあいなどを楽しむ姿が会場内の至るところで見受けられた。
いままでありそうでなかった猫好きの・猫好きによる・猫好きのためのイベント。本イベント成功の経緯と、企画から実施まで開催の舞台裏について、主催者のラブリー・ペット商事株式会社の溝畑守さん(執行役員 部長 営業本部 商品部 兼 物流本部 物流部)、制作・会場施工を担当した株式会社トーガシの小川翼さん(営業統括本部 アカウント事業本部 西日本事業部サブマネージャー)にうかがった。
横浜、京都、東京と複数の地域で開催
ーー東京での開催は初とのことですが、これまでの経緯を教えてください
溝畑 「Lovely にゃんフェスタ」は、2023年2月に横浜を皮切りに、同年10月に京都とこれまで開催しており、今年2月の東京開催で3回目となりました。複数の地域で展開しているイベントです。
ーー猫好きな一般の方を対象とされています。いわゆるBtoC型のイベント実施はこれまでも開催されていたんでしょうか
溝畑 弊社はペットフード・ペット用品の卸会社ですので、イベントとしてはこれまでBtoBの展示会を年2回実施していました。本社が大阪にあることから、展示会は大阪を拠点に開催しています。
BtoB展示会からBtoCイベントへ転換のワケ
ーーBtoB展示会からBtoCイベントへの転換は大きなトライアルですね。企画にはどんな狙いがあったんでしょうか
溝畑 大阪開催のBtoB展示会を関東拠点でも展開して実施していましたが、すでに同様のBtoB展示会は多く、後発になってしまいます。それであればもう少し違うアプローチにしようと企画を考え、ペット全般ではなく、猫メーカーに絞ったBtoB展示会にしようと当初は思っていました。
ただ、それでも来ないだろうと、一般のお客様を呼んだBtoCイベントにした方がいいと舵を切りました。
ーー関東圏でのイベント開催は初回は横浜でしたが、初開催の手応えはいかがでしたか
溝畑 猫の飼い主さんに聞いてみると、ペットのイベントは数多くあるけれど、猫に絞ったことでメリットが多いという声を多くいただきました。
例えば、ペット全般のイベントですと、犬用のフードサンプルを配布されても「うちは猫なんです」というやり取りが頻発してしまうため、足が遠のくと聞きます。出展するメーカー側も「ワンちゃん飼ってますか?猫ちゃんですか?」というコミュニケーションになります。一方、猫専門のイベントでは、猫種や年齢を聞いて、スムーズに会話がスタートするのでお互いストレスなく参加いただけます。
また、犬の場合には外で散歩したりするなかで飼い主さん同士でのコミュニティが自然と発生しますが、猫は家の中にいるため飼い主さんにとって情報収集はインターネットやSNS上がほとんどになってしまうと聞きます。
イベントを差別化「Lovely にゃんフェスタ」の強みとは
ーー猫好きのための一般向けイベントは他にもあるかと思うのですが、「Lovely にゃんフェスタ」のどんな特徴が多くの参加と人気につながったとお考えですか
溝畑 一般向けの猫イベントには「にゃんだらけ」や「にゃんともニャンズマーケット」など他にも数多く開催されています。いずれも、猫グッズの販売がメインとなっていて、人用のものを扱うクリエイターなど、個人出展が多いのに対して、「Lovely にゃんフェスタ」のメインは猫のフードやおもちゃなど、猫用のメーカー出展を多くいただいています。
飼い主さんとメーカーが直接話せる機会は少ないですし、飼い主さんにとっては「すごく話を聞いてくれるので、楽しい」という声が寄せられています。
「Lovely にゃんフェスタ in 東京」には、メーカー約40社以上に出展いただきました。さまざまな猫ちゃんフードや用品の展示、サンプリングを行っていただいたほか、アウトレット市も開催して、お得なお買い物も提供したり、発売前の新商品をいち早く知っていただく機会をつくったりするなど、卸会社としてのメリットを活かした内容で展開しています。来場者全員にお帰りの際にサンプルバックを配布するお土産付きであることも特徴ですね。
ーー猫に特化したことで生まれたメリットやコミュニティの場としての機能など、これまでにありそうでなかった、貴重な機会になったのですね。
BtoCイベントでは、BtoB展示会とはまた違った運営上でのポイントがありましたか
溝畑 BtoB展示会では来場されるのは取引先でビジネス目的ですが、BtoCイベントでは一般の方で目的も異なります。全てに対応したいという気持ちはありますが、来場者数が増えてくると個々への対応もさまざまとなります。集客の山をつくるプログラム構成のアドバイスや、来場者受付の待機列緩和など、そういった部分はイベントプロデュース総合会社のトーガシさんにサポートしてもらっています。
ーー東京初開催の成功を受けて、次回以降も継続した開催を期待しています
溝畑 次回の開催は秋を予定しています。また、東京での開催では、規模も2倍にして東京ビッグサイトでの開催を予定しています。
「Lovely にゃんフェスタ」としては、今後、関東圏・関西圏以外にも地域展開を検討しつつ、継続して参加いただけるイベントへと育てていきたいと思っています。
制作・会場施工をサポート トーガシのフォロー体制とは
ーー「Lovely にゃんフェスタ」では、株式会社トーガシが幅広くイベント開催のサポートをされたと伺いました。どのような役割を担われたんでしょうか
小川 会場の設営から運営の受付システムのサポートといった開催当日の対応だけでなく、ランディングページの提案など、事前の集客段階の導線づくりからサポートしました。
現在は会期終了しているのでみられませんが、ランディングページには、来場される方が出展者情報を事前に調べられるように、弊社がつくったイベント出展管理システム「AddVal Connect/アドバルコネクト」を組み込んでいます。
主催者の方が出展者情報を管理できるシステムで、各出展者に直接入力してもらえるCMS(Contents Management System)が入っています。独自のシステムを新たに開発するよりもかかるコストが軽減されることや、入力業務の負担も軽減することができます。
ーー「Lovely にゃんフェスタ」は、京都、横浜、東京と地域展開型のイベントですが、東京以外の開催もサポートされているんでしょうか
小川 「Lovely にゃんフェスタ in 横浜」の初回から、京都、東京と一貫して担当しています。
当社は東京・名古屋・京都・大阪と拠点があり、全国に数多くの実績がございますので、その強みを活かし対応させて頂いています。
ーー拠点が各地にあると、地域展開イベントの主催者にとっては、地域ごとに別々のサポート体制を構築することなく、一貫した対応が受けられますね。コミュニケーションもスムーズで、イベントの統一感がつくれそうです
小川 当社は全国に数多くの実績があると同時に、会場の知識も豊富にございます。「Lovely にゃんフェスタ」では、地域展開の検討段階から、候補会場について、アクセス面や展示ブースに伴う搬入出経路などもご相談を頂いておりました。イベント内容に合わせて最適な会場のご提案ができるのは当社の実績が活きたところではないでしょうか。
ーー「Lovely にゃんフェスタ」の今後の開催に向けて、提案されたいことがありましたら教えてください
小川 「Lovely にゃんフェスタ」が人気のイベントとして、さらに来場者満足度が上がるような貢献をできたらと考えています。例えば、今回の入り口に設置した内照式パネルはフォトスポットとして提案しました。
こちらのフォトスポットは来場者に向けたアイデアですが、次回はスタンプラリーなど、来場者満足度と出展者満足度と両方を兼ねた提案も検討中です。
他には、入場証パスに飼っている猫ちゃんや推し猫の写真をプリントできるようにして、入場証がノベルティになるような仕掛けなど、来場者の方々に自分だけのオリジナルな体験を提供していけたらと思っています。
また、次回の東京開催は規模も拡大すると聞いています。弊社は出展誘致や来場誘致のサポート体制も整っておりますので、引き続きサポートを強化し、「Lovely にゃんフェスタ」の成功にも貢献できるようにしていきたいですね。
BtoB展示会をBtoCイベントへと転換し、エリア拡大も果たし、人気イベントとして展開する「Lovelyにゃんフェスタ」。主催したラブリー・ペット商事・溝畑さんの来場者視点でのイベント設計や、イベントプロデュース総合会社トーガシのプロのサポート体制が、イベント成功のヒントになりそうだ。
(取材・文=編集部樋口陽子)
【写真レポート】
▼アウトレット販売のコーナーも
▼写真展
▼講演会場の様子
▼出展ブース
▼来場者全員にサンプルバックが配布された