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MICEと地域創生
全国各地の自治体が観光コンベンション・ビューローを設置し、観光振興とならんで学会などの誘致・受入体制の充実に力を注いでいます。日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)には73のビューローを含む122団体・企業が加盟し、毎年「国際ミーティングEXPO(IME)」というイベントを実施しています。また、各自治体の首長選挙ではMICE施設の建設が争点になるなど、MICEは地域活性化のキーファクターとなっています。
では、MICEによる地域活性化はどれくらいの効果があるのでしょうか。
MICEの経済波及効果は1兆円!?
観光庁のMICE経済波及効果調査
観光庁が2017年度に、MICEの経済波及効果を発表しています。この調査は2016年に開催されたイベントの主催者(企業ミーティングは代理店)と参加者に消費額についてヒアリングしたものです。それによると、2016年度に日本国内で開催された国際MICE全体による経済波及効果は、直接効果が 約4,865億円、間接効果が約5,724億円で、合計で 約1兆590億円となっています。
MICEの4分野ごとの経済波及効果
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この調査までに観光庁は国際会議の調査を行ってきましたが、その他のジャンルについてははじめて調査したものです。とくに企業ミーティングとインセンティブ・トラベルは、開催状況の把握や対象者へのアプローチが難しいこともあり、全体像がつかめる数字とはいいきれません。
この数字を単純に47で割ると225億円となり、この数字が大きいかどうかは考え方次第と思いますが、この数字だけでは、MICEの地域活性化への効果はつかめてません。
調査対象となるイベントが国際MICEであり、参加者の対象が海外からの参加者となっています。地域活性化には海外だけでなく、国内向けのイベント、日本国内(地域外)からの参加者も大きく貢献しますので、個別の調査が必要になるでしょう。
また、地域活性化の原動力としては、開催時の参加者の消費額以上に、その後の地元企業への発注や学術分野の向上、技術水準の上昇といったものがあります。観光庁でもMICEによるレガシー効果調査として、ビジネス機会やイノベーションの創出、研究促進など、経済波及効果以外の効果についても調べています。
東京ビッグサイトが発表した経済波及効果
東京ビッグサイトは2007年7月に「東京ビッグサイトにおける 展示会等の経済効果」を発表しています。2006年に開催された334 件の展示会とその他会議等のイベントによる経済波及効果は、直接効果約3000億円、間接1次波及効果約2600億円、間接2次波及効果約2000億円で、全国への経済波及効果は約7500億円と推計しています。そのほか4万9000人の雇用創出、629億円の誘発税収効果としています。
12年前の数字ですから、この数字から上昇しているとは思いますが、参考になると思います。
パシフィコ横浜の経済波及効果
パシフィコ横浜は2019年3月に、2017年度開催の催事による経済波及効果を発表しています。横浜市で約860億円、神奈川県で約950億円、全国で約2,310億円と推計しています。
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パシフィコ横浜は継続的に経済波及効果測定を実施しており、前回(2012年度)の調査と比較すると、開催数、来場者数ともにふえており、横浜市内の宿泊比率は減っていることもあり、横浜市内への波及効果は微減しています。
市民が感じる価値測定も行っています。トラベルコスト法という手法で、パシフィコ横浜があることで横浜市民が多数の催事に、高頻度かつ低コストで参加できる価値を調べています。今回の調査で42億円と前回より7億円も増加しています。
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(編集協力:MICEニュース)