【GoTo 沖縄MICE インタビュー編】一般財団法人沖縄IT-イノベーション戦略 センター(ISCO)永井 義人さん-
オンライン開催と併催しながらの展示会となった今回は、新たなMICEの形になりそうだ。
一般財団法人沖縄IT イノベーション戦略 センター(ISCO) 専務理事 永井 義人さんに沖縄発の「ResorTech Okinawa」についてお話を伺った。(取材・撮影=樋口陽子、2020年10月30日)
沖縄の風土と会場規模が上手くマッチした
初の本格開催となった「ResorTech Okinawaおきなわ国際IT見本市2020(以下リゾテック)」。リアル出展とオンラインのみ、セミナーと多様な参加方法で85社のテクノロジー系企業が集結した。
――沖縄開催の魅力を教えてください
永井 カンヌ国際映画祭がフランスのリゾート地カンヌで開催するのは、文化的なところで合うのかもしれませんが、世界のIT展示会・テクノロジー系イベントもリゾート地など普段とは違った頭を使ったり、感覚が研ぎ澄まされたりするところでの開催がトレンドになっています。ですから、沖縄での開催は違和感のない流れなんです。
――コロナ禍での開催に思う、沖縄の強みをお聞かせください
永井 主催者としてコロナ禍での開催に大きな危機感を持っていました。
開催や途中中止もあり得ると思いながら、開催して実感した沖縄ならではの強みは、一つは換気の良さです。風がとてもよく吹く場所で、しかも心地よい風で、密で空気が淀むことがない。沖縄の風土と展示会場となった沖縄コンベンションセンターのサイズ感がとても上手くマッチしたと感じます。
ふたつめは、沖縄のエッセンシャルワーカーの方々が使命感をもって地味な仕事でもモチベーション高く環境を整えてくださること。そして3つめは、RICCAという沖縄独自のLINEベースアプリのシステム導入もあります。抜本的に特別な対策ではないけれど、地道な積み重ねで運営しています。
――出展企業からの声はいかがでしたか
永井 リアル展示会は大企業ほど禁止令が出ていて営業活動は大変でした。ただ、リアルのブース出展はなくともオンライン出展のみでも、NEC、SCSK、ソフトバンク、auの沖縄セルラー、KDDIの大手企業各社さんが参加いただきました。
――初の本格開催となった今回の新たな取り組みは
永井 コロナ対策としても、今回からオンライン開催も併催しました。
沖縄開催ではどうしても県外からの参加のしづらさもありますが、オンラインでは新しい来場者の開拓をする可能性もでてきます。これですごくビジョンが広がりましたし、5年後、10年後のリゾテックを大きな姿で描けるようになった感じです(会期中オンライン参加者1,825人、リアル21,940人*同時開催展含む)。
今回は「リアルで4日間、オンラインで約1か月間」の開催形態を取りましたが、近い将来、オンライン展示会を年間の常設にして、そこに通常のリアル開催を年1回で並走実施してみてはどうかというシナリオも出てきました。そうすることでビジネス的にも安定し、仕事も平準化するのではと考えています。
今回の取組みは、リゾテックのコアにオンライン開催を取り入れ、新しいビジネスモデル、展示会モデルをつくっていく機会にもなり、来季のリゾテックがどうなるか楽しみです。
[table id=27 /]