【GoTo 沖縄MICE インタビュー編】日本旅行業協会(JATA) ツーリズムEXPO ジャパン 早坂 学さん
2020年に初の沖縄開催となった「ツーリズムEXPOジャパン」。
リゾート地での新たなMICEの形について一般社団法人日本旅行業協会(JATA)ツーリズムEXPOジャパン推進室 室長 早坂 学さんにお話を伺った。(取材・撮影=樋口陽子、2020年10月30日)
MICEだけでなく、ツーリズム復活のきっかけに
沖縄初上陸となった「ツーリズムEXPOジャパン 旅の祭典 in 沖縄」。
世界 30ヵ国・地域から285企業・団体が出展。リアルとオンラインを併用し、事前マッチングによる商談件数は1786件、来場者数は24,174人(同時開催展含む)と人数制限を行いつつも目標値を上回った。
――初の沖縄開催の経緯を教えてください
早坂 「ツーリズムEXPOジャパン」は、例年東京ビッグサイトで開催してきましたが、東京オリンピックパラリンピック開催に伴って利用できない2019年、20年は地方開催のチャレンジのチャンスと捉えました。
GDPに占めるツーリズム産業の割合も増えており、地方活性化につなげる機会として開催地を公募、2019年は東京に次ぐ第2の大都市大阪を、そして20年はリゾートをテーマに、国内で世界に通じるリゾート地として可能性を秘める沖縄での開催を決定し、世界へ発信していこうと決めたんです。
沖縄開催は2017年春には決まっていたなか、コロナ禍での開催は主催者として不安もありましたが、安全安心なMICEのモデルを示すことができれば、MICEだけでなく、ツーリズム復活のきっかけにもなると、開催に踏み切りました。
――コロナ対策を考える上での沖縄の強み
早坂 沖縄コンベンションセンターの展示棟、会議棟、劇場棟、そして、宜野湾市立多目的運動場、ラグナガーデンホテルと近隣エリアにある施設を広域で分散利用しています。
また、屋外ではフードフェスタを3箇所展開しました。陽気のちょうどいい季節に自然のなかで解放感を楽しんでいただくのも、魅力の一つ。気候はまさに強みです。
安全安心な開催モデルの一つの工夫で、1日を時間制を設けて2回に分けることで2会場合わせて1日1万名を上限としました。フードフェスタは基準を上回った際に会場外でお待ちの間も楽しんでいただくための仕掛けでもあり、分散型でのイベント開催の取組みでもあります。
――MICEの新しいモデルのスタートを予感させます
早坂 地方開催の展開は一つの狙いですから、そう望んでいます。
また、地方から世界へ発信しようと、インターナショナル・ツーリズム・フォーラムを開催しました。いつもは観光大臣会合として実施しているものです。今回は海外からの入国が厳しいため、在日の大使をお呼びし、スペイン、タイ、エジプト、そして日本からは観光庁、日本政府観光局、JTBから6名、英語でYouTubeに同時配信し、沖縄から新しい観光モデル、MICEモデルの発信をしました。
県でもコロナ禍におけるMICE開催のスタートラインにしようと、沖縄県や開催地の宜野湾市などの皆さんにも協力して動いていただきました。今回、リアルで話す機会を得られたと非常に喜んでいただいた出展者の方もあり、海外へ安全安心を含めた魅力発信もできる、リアルとオンラインのハイブリッド型での手応えを感じています。
「ツーリズムEXPOジャパン 旅の祭典 in 沖縄」概要[table id=26 /]