国際見本市連盟(UFI)は3月10日、新型コロナウイルス感染症による展示会中止・影響の経済的損失について最初のメディアリリースを発表した。展示会の中止や延期により少なくとも263億USD(約2.7兆円)の商談機会を損失。展示会・イベント業界の損失はすでに165億ドル(1.7兆円)におよんでいる。
UFI会長 カイ・ハッテンドルフCEOは、「この数週間で少なくとも世界中で500のトレードショウの開催が中止、または延期され、その影響は世界中の産業を覆っている」とその損失の大きさを語った。
UFIデータに基づくと、展示会の中止・延期により失われた商談機会の総額は263億USDに達し、このうち、アジア/太平洋地域で約146億USD、欧州で111億USDの商談機会喪失とし推測している。こんごさらなるイベントの中止・延期によりこの数字はさらに増加すると見られる。
展示会産業は世界中で、毎月262億USDの経済規模を創出しており、27万人以上の雇用を生んでいる。
現在の中止・延期しているイベントの数と規模から試算すると、展示会産業全体で165億USD規模の経済損失と推測される。 最も大きな打撃を受けたのはアジア/太平洋地域で、その影響はすでに96億USDを超えている。 ヨーロッパでは、さらにイベントの中止および延期の波が続いており、その影響はすでに66億USDに達している。 UFIは他の地域についても調査を進めているという。
多くのイベントは中止ではなく、年内に開催されるように再スケジュールされていると見られ、これにより、中長期的な影響は軽減されるものの「しかし、短期的な延期でさえ、ビジネス・経済のスピードを遅らせることになり、その影響は早く大きなものになるだろう。とくに中小企業にとっては大きなリスクとなる」とUFI 調査担当マネージャーのクリスチャン・ドリュアル氏は語っている。
UFIのニュースリリース(英文)
https://www.ufi.org/wp-content/uploads/2020/03/PR_Economic_impact_of_Coronavirus.pdf