特集：イベント・マーケティング業界の働き方

イベント・マーケティング業界の働き方

街にイベントが戻ってきた。自粛が続き先の見えなかったころを、イベント人はどのように過ごし、イベント会社はどのように乗り越えてきたのか。特集ではアンケートやインタビューをもとに、イベント人材の生き方、企業の人材戦略を考える。

業界の人材戦略アンケート

2019 年末からの新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、翌年 4 月 7 日に緊急事態宣言が発出された。その後も 6回の宣言や緊急事態措置などが繰り返され、「いつになったら開催できるのか」と先行きが見えない状態が約 2 年続き、業界を離れる人も少なくなかった。現在、イベントが開催できる情勢になり、今度は人材不足が課題となっている。一方で、感染者数の再拡大やサル痘などのリスクもあり、課題はなかなか解決しない。

そこで、本紙ではイベント会社の経営層・マネジメント層、一般企業のイベント担当マネジメント層を対象にアンケートを実施（有効回答数 63）。各社がどのように、イベント人材の確保、サービス品質を保つ人材育成を進めてきたかを見てみよう。

Q１　現在の人材に関する課題について

もっとも多くの人が課題にあげたのが、「質の高い人材」で 77.8％が最重要または重要と答えた。ついで「人材（人数）の確保」で61.9％、「新人教育」については多くが課題とは認識していたが、最重要または重要と回答したのは、49.2% にとどまった。「オンライン対応人材」については 41.3％、「人材派遣のコスト高」は 23.8% だった。「解決済み」という回答は少なかった.

Q2　人材確保の課題を解決した方法

イベント関連会社が実際に課題解決のために実施している手法（複数回答）としてもっとも多かったのは、「求人に力を入れた」で33.3%、また「アウトソーシング」31.7%、「会社のブランディング向上」が 27.0% という回答が続いた。そのほか「教育制度を変えた（12.7％）」、「紹介採用制度」11.1%、「給与アップ」と「派遣社員の増加」が 9.5% だった。

Q3　働き方改革の施策として実施または検討しているもの（記述式）

「他部署のメンバーがチームに参加」、「テレワーク」、「フレックス」、「業務効率化」、「不採算事業からの撤退」、「男女比率の改善」、「業務配分の見直し」、「MA や SFA 導入で業務自動化」、「アルバイト採用」、「裁量労働制」、「社外での業務用のデバイス供与」、「クロス業務で他部署のサポートをできるようにした」、「ウェビナーやオウンドメディアの活用」、「福利厚生、代休取得の徹底」、「オフィスの一部解約」、「イベント視察や勉強のための休暇」、「正社員にこだわらない雇用体系」、「集客力のある人材」、「残業 20 時間 / 月以内の実施」、「時間外休日のメール対応・連絡の自粛と顧客への理解促進」など、さまざまな取組みが行われていた。

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